2011年3月17日1時57分
東京電力は16日、福島第一原子力発電所に東北電力から電力の供給を受けるため、新たな送電線を設置する作業に入ることを明らかにした。送電鉄塔が地震で壊れ、電力を受けられなくなっていた。原子炉の冷却作業の改善を目指す。
福島第一原発は、原子炉内を冷やす緊急炉心冷却システム(ECCS)が動かないため、海水をポンプで注入するなどして炉を冷やしている。各種機器の電源は、各地から借り集めた電源車に頼っていた。送電線ができると、今より効率よく安定的に動かせる、と東電はみている。
ただ、送電線を設けて新たな電源を確保できても、ECCSを動かせるようになるかどうかは不明という。
福島第一原発は6基計469.6万キロワットの電力を発電するが、福島県を送電エリアとする東北電力の電力も使えるようにしていた。しかし、震災で施設の外にあった東北電力からの送電鉄塔が壊れ、電力を受けられない状態になっていた。