平日昼下がりのスケートリンクは、大人のレッスンクラス。佐藤信夫(69)が80代の女性の手をとると、みるみる滑りがなめらかになった。助言する真剣な姿は、試合で小塚崇彦や浅田真央を見る時と同じ。
■飾らない誠実な人柄
佐藤の歩みは、戦後日本フィギュア史と同調する
仕事の丁寧さを感じさせる。「彼女は50代から始めてね。このリンク(新横浜スケートセンター)は暖かいでしょ。うっすら解けてね、いい氷になる。氷がいいと技術も上がる。施設の進歩も、今の日本フィギュアを支えてるんですよ」。飾らない、誠実な人柄がそのまま表れた口調で話す。
佐藤がフィギュアに出会って今年で60年目。昨年、日本人2人目の世界フィギュアの殿堂入りを果たした。その歩みは、戦後日本フィギュア史と同調する。選手として全日本選手権10連覇、1960年スコーバレー五輪14位、64年インスブルック五輪8位入賞、65年世界選手権4位入賞。日本初の3回転ジャンパーでもある。
■世界の浅田も指導
66年に引退後、就職した。だが、札幌五輪開催を6年後に控え、日本代表コーチに推される。68年グルノーブル五輪では後に妻になる久美子、小塚の父、嗣彦を教えた。「生徒を次々引き受けるうちに抜き差しならなくなり、会社の自己評価シートも書けず、こうなりました」。会社を辞め、コーチ業に専念する。
性格同様、「嘘がなく、現実的な取り組み方をする」(娘で、94年世界選手権金メダルの有香)手法は、着実に選手を生み出し続けた。松村充、小川勝、さらに夫妻でクラスを持つようになり、有香と小塚崇彦をゼロから育てた。
2人を頼りにやって来たのは村主章枝、中野友加里、安藤美姫、荒川静香。そして「あれだけ頼まれたら(断れない)」と今季から見るのが世界女王の浅田。フィギュア史を彩る選手ばかりだ。
終戦から7年後の大阪。まだ娯楽が少なかったがゆえ、梅田や難波のスケートリンクは大人気で、靴を借りるのに2時間待ちは当たり前だった。戦前スケートをしていた佐藤信夫(69)の母は指導にかり出され、10歳…続き (3/16)
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うまくなりたい。強くなりたい。その一心で、倦(う)まずたゆまず一歩ずつ階段を上ってきた。念願の国内メジャータイトルにマスターズ切符まで手にし、藤田寛之はこの先、何を目標に自分をむち打つのか。…続き (3/9)
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