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つなぎ法案:議員立法で提出 子ども手当、年度内成立断念

 政府・民主党は8日、11年度予算関連法案のうち税制改正法案と子ども手当法案の年度内成立を断念し、10年度と同じ措置を延長する「つなぎ法案」を議員立法で提出する方針を固めた。9日にも自民、公明など野党側に提示する。つなぎ法案が成立しても政府提出の両法案の成立が見込めない状況は変わらず、菅直人首相が主導した法人税率の5%引き下げの実現は困難。子ども手当も2歳以下の7000円増額を見送らざるを得ない状況に追い込まれた。

 予算関連法案を巡っては、税制改正法案が年度内に成立しなければ住宅売買時の登録免許税や石油石炭税などを軽減する約100項目の租税特別措置が3月末で期限切れとなることへの懸念が広がっている。つなぎ法案ではこれらの減税措置を現行のまま継続する内容になる見通し。

 菅首相は8日夜、民主党の岡田克也幹事長、玄葉光一郎政調会長、安住淳国対委員長と対応を協議。つなぎの期間については最長1年とする案も検討されているが、法人税減税などの税制改正方針について「全面撤退と受け取られる」(党政調幹部)との反発もあり、3カ月~半年の案も含め調整している。

 子ども手当は現在、10年度のみの時限立法で15歳以下1人当たり月額1万3000円が支給されている。11年度の子ども手当法案には2歳以下を2万円に増額することが盛り込まれたが、成立しなければ自公政権時代の児童手当が復活することになり、支給が遅れるなどの混乱も予想される。

 政府・民主党は増額をあきらめた分を保育所の増設などに回すことで野党の理解を得たい考えで、つなぎ期間については半年間を検討している。

 自民、公明両党は税制のつなぎ法案には賛成する姿勢をみせており、野党が多数を占める参院でも可決・成立しそうだが、賛成条件として「衆院解散・総選挙とセットだ」(自民党幹部)と解散の確約を求める意見もある。子ども手当のつなぎには両党とも反対する構えで、参院での成立は見込めない状況。政府・民主党は衆院の3分の2以上の賛成による再可決を念頭に共産、社民など野党に協力を呼びかける方針だ。【山田夢留、横田愛】

毎日新聞 2011年3月9日 2時30分

 

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