文部科学省は、福島第一原子力発電所から出た放射線の量について、測定結果を発表しました。原発から20キロ余り離れた地域で1時間当たり最大で0.33ミリシーベルトという高い値を検出する一方、30キロから60キロ離れた地域では最大で0.0253ミリシーベルトと、ふだんよりやや高いものの直ちに健康には影響のないレベルとなっています。
大気中の放射線の量は、文部科学省が福島第一原発から北西に20キロ余り離れた福島県内の3つの地点で、15日午後8時40分から10分間、専用の測定車両を使って測定し、結果を発表しました。この地点は、現在、屋内退避の指示が出ている場所で、測定の結果、放射線の量は1時間当たり0.22ミリシーベルトから0.33ミリシーベルトという値でした。0.33ミリシーベルトは、3時間余り屋外にいると一般の人が1年間に浴びても差し支えないとされる限度量の1ミリシーベルトに達する数値です。その後の値の変化や継続して検出されているかどうかは分かっていません。これについて、放射線影響研究所の長瀧重信前理事長は「直ちに健康被害が出るわけではないが、この値で3時間、外出した場合、一般の人が1年間に浴びても差し支えないとされる限度量に達する。この値が継続して検出されている場合は、避難の在り方を検討すべきだ」と話しています。一方、文部科学省によりますと、福島第一原発から30キロから60キロ離れた地域で16日午前中に大気を測定したところ、1時間当たりの放射線の量は0.0253ミリシーベルトから0.0125ミリシーベルトだったということで、ふだんの値よりは高いものの、直ちに健康には影響のないレベルとなっています。