マザーテレサがこんな言葉を残しています。 『人は不合理、非論理、利己的です。気にすることなく、人を愛しなさい。 あなたが善を行なうと、利己的な目的で それをしたと言われるでしょう。 気にすることなく、善を行ないなさい。 目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう。 気にすることなく、やり遂げなさい。 善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。 気にすることなく、し続けなさい。 あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。 気にすることなく正直で、誠実であり続けなさい 。 あなたが作り上げたものが、壊されるでしょう。 気にすることなく、作り続けなさい。 助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。 気にすることなく、助け続けなさい 。 あなたの中の最良のものを、世に与えなさい。 蹴り返されるかも知れません。 でも気にすることなく、 最良のものを与え続けなさい。』 先日、‘アークエンジェルズ’の林代表から、マザーテレサの言葉が送られてきました。支援者の方から贈られた言葉で、活動をしていて落ち込んだ時に、この言葉を思い出すそうです。酷い誹謗中傷の中、臆することなく愛を与え、善を行い続けた、マザーテレサならではの、力強い言葉です。人と世を見据えた深い悟りを感じます。 14日に広島ドッグパークへ行った際、いろんなお話を伺ってまいりましたが、今回は動物愛護団体の抱える苦悩について、書きたいと思います。世の中には、非営利団体と言いながら、実は営利を目的にした悪質な団体も少なからずあることでしょう。ですから、寄付や協力をするときには、必ず慎重でなければいけません。まず、団体の本質を見極めることが大切だと思います。 しかし、どの様に良い結果を生んだ、善良な団体であったとしても、今回のドッグパークの事件のように一気に注目を浴び、同時に有名になった‘アークエンジェルズ’のような団体は、必ず誹謗や中傷に悩まされることとなってしまうのです。『出る杭は打たれる』という、世の定でしょうか。 先日、私の広島の知人からも問い合わせの電話がきました。知り合いの出版社の記者から聞いたそうですが、‘アークエンジェルズ’を中傷する内容多々きているけれど、実情はどうなのか?といった内容の心配の電話でした。私がすべてを話すと、知人も大変納得していました。 私は広島へ伺ったときにお聞きしたお話しや、自分が実際に林代表にお会いして感じたこと、スタッフやボランティアさんたちにお会いして感じたことをお話しました。日本の世の中は、とにかく善良な行いが公なものとなると、偽善だとか、売名だとか、言いたがる節があります。ボランティア精神や文化が根付いていないせいでしょう ・・・。それは、おそらく宗教観や政治のせいだと思います。日本人の多くが考えるボランティアというものは、どうやら地味で、泥臭くて、堅苦しいものであるようです。その証拠に、私が長年に渡り、ボランティアをやっていることを知った方々の多くは、「ええっ!意外ですね」と驚かれたり、不思議がられたりするのです。きっと、それは、ボランティアというものが、我が身も気にせず、髪を振り乱し、汚い格好で、難しい顔をしてやるもの・・・というイメージがあるからではないでしょうか。私のように一見派手に見えるタイプは、ボランティアなんて言葉とは縁遠いもの、と思われるのです。もっと、社会の中でボランティアというものが理解されなくてはならないと思います。 それには、欧米のように、有名人や企業が、もっと率先してボランティアを行える社会的制度とか背景がないと、なかなか難しいものがあると思います。 林代表はバブルの時代に、充分な成功をおさめた方です。今も幾つかの会社を持っておられますが、すでに経営は人に任せておられるので、この活動にすべての時間を投じて取り組むことが出来るのです。成功者ゆえの経済的余裕や時間的余裕がなければ、このような活動を続けていくことは不可能です。もし、生計の苦しい人がこのような大きな寄付金を扱うことになったら、安心して寄付などは出来ません。 こんなことがあったそうです。嘆願書を県警に持っていく際、取材で追いかけている日テレのディレクターとホテルのラウンジで打ち合わせしていたら、その様子を見ていた人がいたようで、ネットなどの書き込みに、「寄付金で千幾らのコーヒーを飲んでいた」と、書かれたそうです。実際は千円もしないコーヒーだったそうですが・・・。とにかく人は無責任でいい加減な発言をします。短絡的思考の人間が沢山いるのです。どうして、何を証拠に寄付金だと言えるの でしょう???ボランティアをして寄付を募っている人間は、ホテルでコーヒーを飲むことも許されないというのでしょうか。 車においてもその様なことがあったそうです。 昔から所有している高級車を乗っていたら、「寄付金で車を買った」と、謂れのない疑いをかけられたり・・・。ボランテイアをして寄付を募っていると、軽トラかなんかでないと許してもらえないというのでしょうか。そんな訳で、今はその車も、もう乗ってはいないそうです。面倒な中傷をされるだけですから・・・。 スタッフの女性も大変です。長引く広島滞在ですから、基礎化粧品もなくなります。山を下りて化粧品を買いたいそうですが、そんなものを買おうものなら、また何を言われるか分かりません。乾燥する寒い季節なのに、化粧品を買いに行くことも憚られ、皆さん肌荒れを改善することも出来ないままです。綺麗にお化粧なんてしたら、とんでもないことになりそうなので、今はずっと化粧気がない そうです。いいことをして、どうしてこんな肩身の狭い思いを強いられなきゃいけないのでしょうか? 広島ドッグパークの犬たちは、明らかに、‘アークエンジェルズ’によって救われたのです。 そんな事実を置き去りにして、短絡的にしか物事を見られない人たちがいることに怒りを感じます。これだけの社会問題になった場合、都合の悪い人もいっぱい出てきます。 何らかの作意によって中傷されたりすることもあるのです。 そういうことを、すべて踏まえて、真実を見て頂きたい! 世論が叩くべき相手をしっかり見定めて頂きたい! 真の加害者は誰で、今どうしているのか・・・ 加害者が再び動物業を営み、動物を犠牲にしないのか・・・ 加害者にどんな罰が下されるのか・・・ 動管法はどう適応されるのか・・・ なぜ広島市は告発を拒み、援助さえも拒むのか・・・ その裏にどんな背景や事情があるのか・・・ なぜ、こんな惨状を生んでしまったのか・・・ なぜ、動物たちが犠牲にならなければいけないのか・・・ 行政は何をしているのか・・・ これらの疑問を抱き、答えを求め、この事件の結末に注目し、二度とこのような事件が起こらないためには、どうしたらいいのか・・・これらこそ、もっと論じるべきものではないのでしょか。 正体も明かさず、なんの根拠もないことを、ネットにコソコソ書きこむような連中や、出版社を動かして活動の妨害を計ろうとする連中に、絶対に負けてほしくありません。断じて屈伏してはいけないのです。 今回の連日に渡る報道のお陰で、5千万円ほどの寄付金が集まったそうです。でも、考えてみてください。500頭以上のワンちゃんがいたのです。その子達はみんな、大変な治療の必要な子達です。1頭につき、10万円の治療費がかかったとして、 あっという間に5千万円などというお金は消えてしまうことでしょう。マスコミの報道では、いかにも広島獣医師会がボランティアで治療に当たったような印象を与えていますが、事実は違います。もちろん、中には個人的にボランティアされた獣医の方も数人はいらっしゃるようですが、ドッグパークには治療費の請求書が驚くほどたくさん送られてきていました。私はその請求書を見て、本当に日本社会の理不尽さと貧しさを感じました。ボランティアしたくても堂々とボランティア出来ない獣医さんがいることを知り、その様なことが起こる馬鹿げた背景があることも知り、本当に心底がっかり致しました。 広島は被爆した歴史を持つところです。最も力強く、愛をもって平和を訴えていかなければいけない土地です。その広島でこの様な貧しい考え方が蔓延していることが、残念でなりません。本当に善意のボランティアの人たちは、そんなこといちいち言いませんが、そのほとんどが身銭を切っているのです。日本の未熟なシステムでは、そうしないと成立しないことがほとんどです。 さて、広島行きの件で、たくさんコメント頂きありがとうございました。本当に、本当にうれしく思います。まず、1つ、頂いたコメントに関して、私の見解を聞いて頂きたいのです。 犬の譲渡条件についてのコメントです。確かに、尊い生命というものを論じたときには、それぞれに意見があるでしょう。譲渡条件に去勢と不妊手術の義務があることに違和感を持たれたようですが、前にも述べたように、悪質動物業者に渡ることを回避するための確実な策なのです。これから生まれてくるかもしれない命を、人間の手によって絶つのは自然なことではない・・・というお考えなのでしょうか。けれど、もっと切実な問題は、生まれた命に対する責任です。一度に何頭も出産する犬や猫の子供たちすべての未来に、責任を負える人など、ほとんどいないのが現状です。 その生まれた子犬が必ず幸せに暮らせるよう、シビアに里親を探すのも大変なことなのです。生まれた命を持て余し、誰でもいいから早くもらって欲しい・・・ということになり兼ねないものです。悪意がなく自分のしたことが、無意識に不幸な犬を生み出す結果となってしまうこともあります。その結果、保健所や動物収容所では、年間に犬猫合わせて40万頭以上が殺処分されています。勿論、子犬や子猫もその中にはたくさんいるのです。生まれてこないことを嘆く必要はありません。ただ殺されるためだけに生まれてきた命や、不幸な生活や虐待を強いられる命を嘆くべきなのです。去勢や不妊手術は、自然に反するとお考えのようですが、自然て一体なんなのでしょう?野良猫や野良犬が急激に増えたのも、殺処分される犬猫が多いのも、結局、人間が不自然なペットブームを巻き起こし、無責任に飼い、飽きたら捨てる・・・という人間のエゴが生み出した悲劇です。人間が自然をすべて壊してきたのですから・・・。少なくとも、広島ドッグパークで犠牲になった犬たちから、もう二度と不幸な犬を生むことは許されないのです。アークエンジェルズが細心の注意を払い、最も確実な策を取ることは、救出し保護した人間の責任なのです。これを怠り、万が一にも不幸な結果を生んでしまうことになったら、間接的な虐待への荷担、となってしまいます。現在、400頭近くの犬たちが新しい旅立ちをしたわけですが、それだけ多くの犬の行く末に責任を負うことの難しさを考えてほしいのです。アークエンジェルズの考えは、詭弁でもなんでもありません。 犬を思うが故の、人間の愚かさから彼らを守るための当然の選択であります。 まだまだ世間に浸透していませんが、野良猫たちには、不妊・去勢手術を施し、それを終えた猫を‘地域猫’として、猫が暮らす周辺地域のボランティアの人々で、餌と水を与え、終生面倒を見ていきましょう・・・という合憲・合法の活動があります。繁殖しないという条件の下に、猫たちは安住を許されるのです。その時々、時代背景や政治背景、あらゆる条件によって、最善の策もまた変化していかなければなりません。どうかご理解いただきたいと思います。 |
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内 容 | ニックネーム/日時 |
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ムーブ アークエンジェルズ問題 1/4 |
紅葉 2006/11/27 19:48 |
「出る杭は打たれる」。本当ですね。 |
キャバリア好き 2006/11/27 23:16 |
マザーテレサの言葉のもつ意味は大きいですね。動物もだけど、あの、オードリィー・ヘップバーンが亡くなるその時まで、アフリカへ行き、エイズの子供を抱き上げる映像が目に焼きついてはなれません。生き物を大事にすること、人間を愛すること。共に、永遠のテーマだと思います。 |
ムーミンパパ=としさん 2006/11/27 23:40 |
はじめましてm(__)m |
ベリィショート 2006/11/28 01:15 |
<マザーテレサについて> |
いづみ 2006/11/28 01:19 |
マザーテレサさんの、お言葉には、社会人としての奥深い感情のようなものを感じるのは、私だけでしょうか?何かしようと立ち上がるとき、必ず「何が貴女なんかに出来る?」とか「目立ちだかり屋」色々言われますよね、それで、したくても、しない人が増えるんでしょうネ。私の場合は、考えるより行動を取るほうなので、バッシングは、すごいものがあります。でも頑張ります。 |
はるぴよん 2006/11/28 06:53 |
広島ドッグパーク事件は彩さんの記事で知り、前回の記事などプリントアウトして、息子に(これからの日本を担う若者にこそ、この現状を認識し問題意識を持ってほしいですからね)読ませたりしていました。 |
Dahlia 2006/11/28 11:31 |
杉本さん そして皆様、 |
ごっち 2006/11/28 14:29 |
ムーブ アークエンジェルズ問題 2日目 1/3 |
紅葉 2006/11/28 21:21 |
広島ドッグパークの件、真剣に取り組む彩さんに感動しました。 |
ももにゃん 2006/11/29 00:36 |
広島ドッグパークの件、真剣に取り組む彩さんに感動しました。 |
ももにゃん 2006/11/29 00:38 |
私も、ずっと彩さんが毛皮を着られるのか気になっていました。 |
さくら 2006/11/29 12:46 |
私も、ずっと彩さんが毛皮を着られるのか気になっていました。 |
さくら 2006/11/29 12:46 |
彩さんのおっしゃりたい事はよくわかりました。しかし、本当に現状を知って、知ったうえでの彩さんの報告をお聞きしたかったです。 |
茶 2006/11/29 13:55 |
彩さん こんにちは。 |
ごっち 2006/11/29 14:54 |
http://www.k2.dion.ne.jp/~dogluck/ |
ごっち 2006/11/29 15:10 |
すみません 失敗しました。 |
ごっち 2006/11/29 15:15 |
ヘルプアニマルズさんのホームページ見ました。毛皮が生きたままはがされていました。正視出来ません。地獄です!!!人間がおろかで、その毛皮を着ている人々は もっと恐ろしい。生きたまま剥がされています。踏み潰されて・・。振るえが止まりません ショックです!生きるのが辛い パニック障害になるxxx怖い!毛皮撲滅してください!お願いします! |
ベリーショート 2006/11/29 15:22 |
杉本彩さん初めまして。私☆スーサンの動物日記☆と言うブログの運営者スーサンこと鈴木康朗と申します。ウェブリブログでは会員にならないとコメント出来ませんので、新たに☆鈴木康朗の動物日記☆をリブログに作りました。本館の方でアークエンジェルズの記事を書くとネットに流れる噂や『ムーブ!』を見てアークエンジェルズ批判のコメントで溢れかえりました...私は大阪の人間なので、実際アークエンジェルズからチャッピーと言うワンちゃんも迎えましたし本部で広島から搬送されて来たワンちゃんにも触れました...人間に虐待されたにも関わらず、私に甘えて来ました!涙が溢れそうでした...先日アークエンジェルズ代表の林さんと電話でお話しました。ネットの噂に踊らされ一部のマスコミに踊らされ人間の愚かさを痛感しました。でも私はアークエンジェルズを支持します!真実は一つ!頑張りましょう! |
鈴木康朗 2006/11/30 15:29 |
彩さんの想いに全く同感です。そして私のまわりの支援者達も同じ気持ちで温かく、このレスキューを見守っています。皆、あの劣悪な環境の中にいた犬達を誰が救いに立ち上がったか知っています。それは行政でもなく、市でもなく、アークエンジェルズさんだという事を・・・。 |
ミーコ 2006/12/01 14:26 |
こんばんは。 |
風香 2006/12/01 19:07 |
杉本さんは、えらい! 人間として尊敬できる。「生きとし生けるもの」へのこの慈しみは、並みのものじゃない。セクシーで、麗しい女優の概念から、別の慈愛の宇宙へ達していい手います。感動するblogです。 |
longkeep=く・ぶろぐ 2006/12/01 19:48 |
人間何か一つの事をやり遂げるのに、一つ善意を行うと、全てにおいてそれは、悪か、善か・・・・人はあら捜しをします。ですが臆する事はありません。人間誰だって、コメントする側も完璧ではありません。全ては何かが足らないからこそこの世界は成り立つのです。アークエンジェルさんの検索で、かなりの評判が出ていました。私はそれには及びません、人間同士情けない言い争いです。まずは動物を救う事です。それ以外何がありますでしょうか?行動に移す事が出来ない人間が多い中で、手を尽くす人が居る。それはすばらしい事なんです。マザーテレサの言う事は「愛」そのものなんです。応援しています。すばらしい記事をありがとうございます。 |
月と 2006/12/01 22:20 |
まえまえから彩さんのことは好きなタイプのおねーさんでしたが、動物が好きでボラをされていると初めて知りました。 |
nina 2006/12/01 22:29 |
「広島ドッグパーク」での件で、はじめて彩さんの活動を知りました。 |
あーちゃん 2006/12/02 00:44 |
杉本様、忙しい女優業の中 ボランティア本当にお疲れ様です。 |
美星 2006/12/02 01:14 |
知ったきっかけはアークエンジェルズさんのホームページからですが、 |
桜 2006/12/03 04:11 |
はじめまして! |
cana 2006/12/04 10:16 |
脅されたと言ってる方も現れてますからね。 |
そうはいっても 2006/12/04 12:50 |
杉本様 |
ごっち 2006/12/04 14:32 |
他人のために働くことを、なぜ人は笑うのだろう。他人のために思うことを、なぜ人は謗るのだろう。誰も、他人から手を差し伸べてもらいたいのに・・。 |
しゅーめい 2006/12/04 16:01 |
彩さん。彩さんのこのブログを彩さん自身がお読みになっているんでしょうか・・・。 |
茶 2006/12/04 16:50 |
彩さん。彩さんのこのブログを彩さん自身がお読みになっているんでしょうか・・・。 |
茶 2006/12/04 16:52 |
初めまして。 |
efe 2006/12/10 22:56 |
こんにちは。 |
salmon_dance 2007/06/05 19:20 |
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