有野正治中央闘争委員長は挨拶で、「3月11日におきた震災について、心よりお見舞い申し上げる。今後、支援等の依頼時は、加盟組合のご理解ご協力をお願いしたい。なお、電機連合本部は、現在までの交渉状況を踏まえ、延期や中断により組織的な混乱を招くよりも、交渉を継続することとした」と述べました。
また、中闘指示第4号の提案に先立ち、「中闘指示第4号提案にあたっての基本的考え方」を提起しました。内容は以下の通りです。
中闘指示第4号提案にあたっての基本的考え方
電機連合
中央闘争委員会
中央闘争委員長 有野 正治
今次交渉も3月16日(水)の統一回答指定日を目前に控え、最大の山場を迎えました。
電機連合は中闘各組合と十分な連携を図りながら、4回にわたる産別労使交渉を通じ、各要求項目に対する経営側の考えを引き出すことに努力してきましたが、経済の先行き不透明感が増していることや、グローバル競争が熾烈を極めていることなどから、経営側は回答に対し、終始慎重な態度を崩していません。
しかし、残された時間も限られていることから、これまでの情勢を十分分析すると共に、3月12日(土)以降に開催した戦術委員会や中央闘争連絡会議での論議などを踏まえ、常任中闘の主体的判断として、最終回答引き出しに向けた考え方を中闘指示第4号として提案します。
各組合は、この最終方針に沿った回答を引き出すよう、要請します。
【情勢分析】 最終方針提起にあたり、今次交渉を取りまく主な情勢についておさらいしておきます。
1.経済情勢
(1)世界経済の回復ペースは、2010年後半より、それまでの勢いを失い緩やかなものになりつつあります。さらに中近東・北アフリカ情勢などの不安材料もあり、今後の動向が懸念されます。
(2)国内動向としては、2010年度の経済成長率は、名目で1.1%、実質で3.1%が見込まれています。2011年度については、実質成長率が1.5%との予測が発表されていますが、不安定な政治情勢や国際情勢の影響により不透明感が強まっています。
2.電機産業の業績動向
2010年度主要14社通期業績見通しについては、期初と第3四半期時点を比較すると売上高はほぼ変わらず、各利益は増額と全体としては良好です。しかし、売上高は上方修正6社に対し、下方修正6社、当期利益では上方修正7社に対し下方修正5社というように業績動向のばらつきが大きくなっています。
【前回提案した各項目の方針(中闘指示第3号の基本的考え)】1.賃金関係
(1)「賃金体系維持」の意味するところは、個々の労使で確立した現状の賃金・処遇制度を維持・継続することであり、制度を守ることは労使の信頼関係の基本です。従って「賃金体系維持」の方針は最後まで変えるものではないことをあらためて強調しておきます。
(2)「賃金格差」や、「賃金体系のひずみ」が認められる組合においては、主体的かつ積極的にその是正に取り組むこととします。
(3)産業別最低賃金(18歳見合い)の改善は、電機産業の労使が社会的責任を果たす意味からも重要な取り組みであり、要求方針を最後まで堅持することとします。
2.一時金
リーマン・ショックで大きな痛手を受けた電機産業の業績は確実に回復していますが、業績改善や事業構造改革などに対する組合員の協力・努力・苦労は大きなものがあります。業績が回復基調にある今こそ、モチベーションの向上につなげ、さらなる活力を生み出す一時金を求めていきます。
また、生活を守る観点から「産別ミニマム基準」を死守することを確認しておきます。
3.非正規労働者への対応
電機連合が提出した「非正規労働者の労働条件改善に向けた取り組み」の要請内容に対する経営側の考えを引き出していく必要があります。また、この課題は、経営側が主張するように、幅広い視点での論議が必要であり、早急に結論を見出すことが難しい面もあることから、継続的に労使で論議していきます。各組合においても、要求の趣旨に沿った対応を図ることとします。
4.その他の要求
「改正高年齢者雇用安定法への対応」や「次世代育成支援対策推進法への対応」など、法律への対応を中心とした取り組みを徹底することとします。また、時間外割増率の改善については、ワーク・ライフ・バランスの観点からも企業の規模にかかわらず、取り組みを推進します。
その他の要求項目については、要求趣旨に沿って対応することとします。
【この一週間の交渉動向】1.第3回産別労使交渉における経営側の主張
(1)先行き不透明な中では、固定費の大部分を占める人件費の増大につながる要求に対しては、慎重に対応せざるを得ない。
(2)産業別最低賃金(18歳見合い)の引き上げは、産業全体に波及効果があると言う組合の主張は認識しているが、結果的に、中小企業に対する経営の圧迫要因となり、むしろ雇用に悪影響が生じるといった側面を考慮する必要がある。
(3)非正規労働者にかかわる要請の内容については、各社労使で実態に即して取り組むべきと認識している。継続した労使論議の場の設定については、実施の趣旨や、必要性といった点も含め検討する必要がある。
(4)グローバル競争を踏まえた「人への投資」については、各社の労使が自社の発展という観点で論議すべきである。ただし、国内製造業の存続・発展のための競争力強化について、税制・社会保障や労働法制といった各社に共通する社会的基盤の観点から、継続した労使での論議が必要だと考えている。
2.中闘組合の交渉状況
3月7日(月)に決定した中闘指示第3号の方針で積極的に交渉を展開してきました。その結果、「賃金体系維持」については、組合側の主張に理解を示しつつも、その他の項目については慎重な対応を崩していません。
特に、産業別最低賃金(18歳見合い)の改善について、労使の思いが詰め切れていないのが実態です。
【回答引き出しに向けた最終方針】1.賃金
(1)賃金については「賃金体系維持」[「開発・設計職基幹労働者賃金」の「賃金体系の維持(現行個別賃金水準の確保)」]を闘争行動回避基準とします。
(2)「賃金格差」や「賃金体系のひずみ」が認められる場合は、具体的な内容に対する労使の認識を一致させ、その是正に全力を尽くすこととします。
(3)産業別最低賃金(18歳見合い)の改善は、今次交渉の意義である「非正規労働者を含むすべての電機労働者の賃金の底上げを図る」ために重要な役割をもっており、労使の社会的責任を果す意味から、要求に沿った回答を求めることとします。
2.一時金
電機産業の業績は、事業構造改革の成果などで確実に回復していますが、その原動力となったのは言うまでもなく、組合員の協力・努力・苦労です。そのことに報いることと、今次交渉の意義とした「個人消費の底上げでデフレ循環から脱却する」とした方針からも、業績回復に見合った一時金を求めていきます。
なお、一時金の年間「産別ミニマム基準:4.0ヵ月」確保を、闘争行動回避基準とします。
3.非正規労働者への対応
第3回産別労使交渉において経営側から「非正規労働者の活用に関し、電機産業として、論議の場が必要である」と、考えが示されました。今後は、非正規労働者の労働条件改善に資するよう、引き続き既存の研究会を活用するなど、論議を進めていきます。
各組合においても、要求の趣旨に沿った対応を図ることとします。
4.その他の要求
関連する法への対応を中心とした取り組み内容については、具体的進展を図ることとします。
その他の項目についても、要求趣旨を結果に反映するよう、取り組むこととします。
【今後の対応】1. 今次交渉の意義は、日本経済を「デフレ循環から脱却」させ、活力ある社会への転換を図ること、そして「希望と安心の社会づくり」をめざすべく、生活不安、雇用不安、将来不安を払拭し、すべての働く者への適正かつ公平な配分を求めていくことにあります。
中闘各組合はこの思いを強く持って、本日決定される最終方針に基づき、不退転の決意で最終回答を引き出すよう強く要請します
2. 3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」により、当該地域においては甚大な被災が心配され、電機連合傘下組織においても、様々な災害状況が報告されています。被災者の皆様には心より、お見舞い申し上げます。今次交渉においては、混乱を避ける意味からも、交渉は交渉としてこれまでの方針で進めていかざるを得ませんが、地震災害からの救済・復興が最優先であることは、言うまでもありません。各組織は、災害状況を把握の上、全力で救済・復興にあたられるよう、併せてお願い申し上げます。
以上