福岡市で投資顧問会社を経営する男性(30)が東日本大震災被災地への支援物資提供をインターネットを通じて呼び掛けたところ、集積場所とされた同市・天神の繁華街に13日、物品を持参した市民が集中。受け入れ態勢が追いつかず、一帯は大混雑となった。見かねた持参者や通行人が協力して作業に当たり、事なきを得た。
「もう物資は受け入れられません!」。段ボール箱や紙袋を抱えた人でごったがえす中、スタッフが声を張り上げた。ビル前の敷地には洋服や生理用品、食料などが山積み。トラックへの積み込みが進まず、順番待ちの列は伸びる一方。「千人は超えていたはず」(スタッフ)といい、作業は結局、夜まで続いた。
男性は地震発生を受け、仙台市に住む知人を介して物資を届けようと企画。10日夜、インターネットのブログで、約20種類の支援物資を例示して「一括発送を行います」と呼び掛けた。募集期間を12-14日とし、当初はトラック1台分程度の想定だったという。
初日は約100人が持参したというが、呼び掛けはチェーンメールなどで一気に拡大。13日は殺到したため、早めに受け入れを締め切った。
企画した男性は「呼び掛けがメールの力で予想以上に広がった。準備不足と言われても仕方ない」と申し訳なさそう。預かった物資は「被災地から必要とされる物を届けたい」。これから仕分けをするという。
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14日から支援物資の受け付けを始める福岡県は、こうした混乱を避けるため、まず、提供希望者から事前に電話で申し入れを受け、後日、現地の態勢が整った時点で物品を受け入れるという。
=2011/03/14付 西日本新聞朝刊=