「良医病子の譬え(譬如良医の譬え)」(如来寿量品第十六)
多くの病気を治す良医に百人もの子供がいました。ある時、良医が遠い他国に旅に出た留守に、子供たちは毒薬を飲んでしまい、苦しさのあまり、地に転げ回ります。そこに父である良医が帰ってきて、すぐに良薬を調合して子供たちに与えます。子供たちの中で本心を失っていない者はこの良薬を飲んで治りますが、毒のために本心を失っている者は良薬を見ても疑って飲もうとしません。そこで良医は方便を設け「この薬をここに置いておくからお前たちは取って飲みなさい」と言い残し、他国に旅立ちます。そして使者を子供たちの所に遣わし、父である良医が亡くなったと告げさせます。子供たちはその知らせに嘆き悲しみ、毒気から醒めて本心を取り戻し、残された良薬を飲んで病を治すことができました。良医は仏、子供は衆生に譬えられます。毒薬を飲むとは邪師の法を信受することをいい、本心を失うとは、これまでに積んできた善根を失うことを指します。良医が死を告げさせたというのは、仏が実は滅していないのに方便のために入滅の姿をとることを指し、子供たちが目覚めたとは仏法の利益を得たことを表しています。
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八葉蓮華
2010-05-26 悲しいベストセラー「交通の教則」帰り道に、ゴミ箱に放り込んでいく
悲しいベストセラー「交通の教則」帰り道に、ゴミ箱に放り込んでいく・・・春秋 八葉蓮華
「1Q84」も「告白」も目じゃない、という大ベストセラーがある。発行部数は毎年なんと1400万部。クルマの免許の更新のとき、講習でかならず渡される教本だ。全日本交通安全協会なる財団法人がほぼ一手に引き受けてきた。
これほどウマい話はないだろう。ふつうなら本を売るにはライバルと競り合って大変な苦心をする。ところが、あの「交通の教則」などという冊子はドライバーがもれなく買わされる仕組みなのだ。協会の収入は教本の32億円を柱に、年間ざっと44億円という。警察庁OBで占める理事たちの報酬もそこから出る。
事業の仕分けでそんなありさまが浮かび上がった。誰もがヘンだな、と思いながら見過ごしていた「安協」の仕事だ。パフォーマンス先行のきらいもある仕分けだが、これなど大いに意味があったろう。ただ、判定は事業に競争導入を促しただけだからちょっと生ぬるい。そもそも、こんな組織が要るのかどうか。
なにしろ免許の書き換えはコワモテの警察が相手だ。面倒は避けたい。人々のそういう心理につけ込んだ、警察ファミリーの商売かもしれない。さてせっかくの教本はどこへ行くのか眠るのか。受講者が帰り道に、駅やコンビニのゴミ箱に放り込んでいくのを見たことがある。これほど悲しいベストセラーもない。
春秋 日本経済新聞 5/26