【社会】「圧力容器壊れていない」「世界初の事態では」 分かれる識者の見方2011年3月15日 夕刊 福島第1原発2号機で、原子炉格納容器の損傷という異常事態に、識者からは原子炉圧力容器の冷却を続けられればよいという指摘や、最悪の事態を想定すべきだとの意見が出た。 山本章夫・名古屋大教授(炉心設計)は「圧力抑制室の損傷の程度は分からないが、原子炉圧力容器が健全であれば、大量の放射能漏れにはつながらない。圧力容器内の水位がある程度あるというのであれば、圧力容器は壊れていないと考えるのが妥当」と説明。 「抑制室の中には水をためており、当初は原子炉の冷却に用いていたが、冷却機能が失われて使えなくなっていた。海水での冷却を続けることができれば、圧力容器内の燃料全体が溶けるなどの事態は抑えることができるはずだ」と話す。 さらに「2号機の原子炉が停止したのは今月11日で時間がたっており、燃料の熱は停止直後に比べれば下がっている。海水での冷却ができなくなれば燃料の損傷が進むが、(損傷には)ある程度、時間がかかるとみられる」と指摘する。 元京大原子炉実験所講師の小林圭二さん(原子核工学)は、原子炉格納容器の損傷について「原発の安全設計思想上、最後の砦(とりで)が崩れたことになる。格納容器を持つ原発では、世界初の事態ではないか」と問題の重大性を指摘。「これまでの国や電力会社、テレビ解説者の見解を聞いていると、『今後、どのようなことが起こり得るか』ということについて、ことごとく裏切ってきている。状況が分からないのに、大変ではないという言い方をするべきではない」と批判している。 PR情報
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