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2006年10月9日、北朝鮮は『地下核実験を実施した』と発表しました。事実、14日には米空軍機が
エアサンプラーにて核実験に特徴的な放射能を検出しています。そう言われてみると…確かに9日は
構造地震とは異なる長周期の揺れが東北地方でも観測されていました。
■明らかに異様な地震波形が!
気象庁の高感度地震計によると…日本時間の10月9日午前10時37分頃から、各地の
地震計が揺れを観測し始めています。下に示したのは山形県白鷹山の連続波形です。
これは同日 午前10時台の「上下動」を記録したもので、37分39秒から揺れが到達して
います。この波形にはP波・S波・L波など 構造地震に特徴的なパターンがなく、発破や
核実験などによる 人工地震であることが判ります。更に、揺れの周期からは 遠地地震
であることが窺えます。
秋田県の地鶏の産地で有名な「比内」にある高感度地震計でも、同様の地震波が観測されています。
(ここでも上下動)到達時間は午前10時37分37秒です。前出の白鷹山のパターンとは
だいぶ違うように感じますが…地震計は高感度であるほど、その地震計固有のコンディションや
周辺環境の影響を受け易く、観測した揺れの振幅が違って見えたり、バックグラウンドの電気的
ノイズに邪魔されたりするものです。比内と白鷹間の「約2秒」という到達時間の差を考慮すると、
震源は「両者の“西北西”か“東北東”にある」という範囲まで推定できるようになります。
地震波の到達が国内で最も早かった場所の一つが 北海道の奥尻島でした。37分22秒に
「異常な揺れ」を観測しています。3地点の観測値が揃えば… 震源は「北日本の西北西」にある
ということが決定的になります。
■人工地震と構造地震…何もかも違う!
核分裂による爆破の場合 100分の1秒という精度で同時に爆縮を起こさねばなりません。
核実験による地震波は人工地震の中でも 瞬時に『点』から発生する波として伝播します。
一方、構造地震の破壊面は最低でも数kmの 断層として『面的』に動くために、その波形は
複雑なものになります。
■果たして…核実験?、そして目的は??
『核実験にしては規模が小さ過ぎる。本当に核爆発なのか?』…とのコメントが大勢を占めていますが、
核分裂は連鎖反応による現象です。連鎖が切れれば、核分裂はそこで終わってしまいます。実は…
広島の原爆(ウラン型)も、長崎の原爆(プルトニウム型)も核分裂は完遂しませんでした。つまり、
一部の「分裂し損なった」放射性核種はそのまま原子野に降っていたのです(これも怖いことです;)。
今回が最初の地下実験となる北朝鮮の核兵器開発レベルは当然「これ以下」でしょうから、
この小さめのマグニチュード(エネルギー規模)も核実験によるものと見るのが妥当です。
第一、今回と同規模の爆発をTNT火薬の爆発で代用し偽装する方が『現場の労力は大きい』と
思いますし、白鷹山の波形は一瞬の炸裂を示唆しています。地下坑道に入りきらないくらい
膨大な量のTNT火薬を地震波形のように一瞬にして爆発させることは北朝鮮には核実験以上
に不可能な技術でしょう(笑)。たとえ核分裂の連鎖が失敗だったとしても核爆弾そのもの'''
を念頭に置いた実験だったはずです。
9日の揺れが『核実験』によるものであるなら…北朝鮮は今後も繰り返すのでしょうか?。
ある程度の成果を確認するまで何度も行なう…本来『実験』とはそういうものですが、
北朝鮮の思惑は『おいUSA、もっとボクにかまって!』という目立ちたがり精神が基に
なっています。一部の国際社会が「これは放っておく訳にはいかない!。USA、何とか
してやれよ!」と蜂起すれば、北朝鮮の目的は達成できたことになります。この核実験は
北朝鮮外交の強かさを象徴するイベントなのです。
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10月9日の気象庁報道発表資料の北朝鮮関連の地震波形分析結果では、発生時刻午前10時35分北緯41.2度、東経129.2度深さ不明、マグニチュード4.9となっていますね。地図で見るといかにも、軍事基地がありそうなところですね。ただ、比較的日本海に近いから、地下水等によって、放射性物質が海に出ないかが心配です。
2006/10/11(水) 午後 7:34 [ テスラ2世 ]
ウラン235の濃縮がうまくいかなかったのかな?まさか比較的濃縮率が低い状態で無理矢理核実験を強行的に実行してしまったのか?翌日の祝賀ムードを高めるために……。と私の乏しい知識の中で考えてみたんだが……。短波放送の朝鮮の声放送(日本語放送)ではあまりふれてはなかったですね。
2006/10/11(水) 午後 9:34 [ テスラ2世 ]
長崎原爆はTNT火薬にして21キロトン相当です。メディアは今回の爆発をせいぜい10キロトンなどと評価しているので、核実験としては失敗でしょう。…故に成功するまで繰り返すかもしれません。
2006/10/11(水) 午後 11:31
技術的なことは、ぜんぜんわからないですが、成功にしろ、失敗にしろ、核を保有する意思とそのための技術を身に着けた国になったと、かの国が「主張している」という事実は変わらないですね。失敗しても放射能の汚染が起こることもあるでしょうし。小さい核兵器の方が持ち運びや搭載に便利なので、核の拡散につながるという考え方もできるとか。実験を繰り返されれるのも、すごくすごくいやです(TT)
2006/10/12(木) 午前 9:47
世界の「これまでの流れ」を見ると『核は切り札』なんですね。インドもパキスタンも、核保有によって「アメリカに認知させること」に成功した訳ですから。そして「お次は俺達の番」と息巻いているのがイランと北朝鮮…ということなのでしょう。廃絶どころか、核の拡散は止まるところを知りませんね。
2006/10/12(木) 午後 0:00
エコビレッジ・コスタリカ共和村 さん>…
貴女が8日、コチラに投稿されたコメントは本記事と関係がなく、単に貴女自身のブログの宣伝(主張の「コピペ」)に過ぎないと判断し、削除致しました。
2011/3/9(水) 午前 0:19