現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 政治
  4. 国政
  5. 記事

「覚悟決めてくれ」首相、東電に 危機管理、後手後手(1/2ページ)

2011年3月15日11時59分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 東京電力福島第一原子力発電所で相次ぐ事故を受け、菅内閣は15日早朝、政府と東電が一体で危機対応にあたる「福島原子力発電所事故対策統合本部」(本部長=菅直人首相)を設置した。二転三転する東電の対応に危機感を抱いたためだが、地震発生から5日目、高濃度放射性物質が放出される恐れがある事態になるまで対応は後手に回り、政権の危機管理能力の欠如が露呈した。

 菅首相は15日午前5時40分、首相官邸から東京・内幸町の東電本店2階の統合本部を訪れ、「テレビで爆発が放映されているのに、官邸には1時間くらい連絡がなかった。一体どうなっているんだ」「あなたたちしかいないでしょう。撤退などありえない。覚悟を決めて下さい。撤退した時は、東電は100%つぶれます」と強調した。

 首相は官邸を出発する直前、統合本部の発足を発表。記者団に「憂慮すべき状況は続いておりますけれども、何としてもこの危機を乗り越える陣頭指揮に立って、やり抜きたい」と厳しい表情で語った。

 統合本部は海江田万里経済産業相と清水正孝東電社長を副本部長とし、海江田氏を東電本社にほぼ常駐させる。統合本部発足は、福島第一原発1〜3号機で次々と起きる事故に、官邸が不信感を募らせたことが背景にある。枝野幸男官房長官は首相が東電に向かった直後の午前5時半過ぎ、官邸で緊急に記者会見し、「時々刻々と変わる状況に対し、対応を適切に行うとともに国民にしっかりと正確かつ迅速な情報をお伝えする必要がある」と説明した。

 菅政権内では14日夜まで、事態を楽観する意見すら出ていた。玄葉光一郎国家戦略相は民主党の地震対策本部会合で経済産業省原子力安全・保安院の責任者の考えだとして、「絶対にチェルノブイリ(原発事故の二の舞い)はあり得ない、というのが彼らの見解だ」。枝野氏も同日夜の会見で「最悪の事態を想定しても、チェルノブイリと同じようにはならない」と強調していた。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

関連トピックス

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

民主党では造反騒動も…。もはや議員たちの関心は「次の首相は誰か」に集まっている。

風当たりが強まる与謝野大臣。冷たい視線は自民党議員ばかりではなく民主党の中にも…。

胡主席の横浜APECでの存在感は、中国が米主導の西側世界に本格的に対抗し始めた証左か?


    朝日新聞購読のご案内
    新聞購読のご案内 事業・サービス紹介
    特集・東日本大震災