地震や津波のあと原子力発電所のトラブルが相次いでいる事態を受けて、福島県は一定以上の放射性物質が体に付いた住民を対象に全身を洗う除染を行っていますが、対象が多すぎるなどとして、14日から基準を引き上げました。
福島県は、今回の事態を受けて住民一人一人の体などに付いた放射性物質が出す放射線を測定器で測ったうえで、放射線の量が1分当たり1万3000カウントを超える人を対象に、水で全身を洗い流す除染を行っていて、13日までに少なくとも22人が除染を受けています。これに対して、放射線の専門家からは「現在の基準では対象者が多くなりすぎて作業が進まない」といった意見が出され、福島県は14日から、除染を行う基準を7倍余り高い10万カウントに引き上げました。そのうえで、除染を行う施設を二本松市の男女共生センターに加えて、郡山市など2か所に新たに設けることにしています。これによって、除染を受ける対象が絞り込まれることになりますが、福島県では「基準を引き上げても、健康への影響はまずないが、基準を下回った人でも必要に応じて体をぬれた布でぬぐうなどの対応は取りたい」と話しています。