2011年3月14日11時54分
【フォートマイヤーズ(米フロリダ州)=村上尚史】東日本大震災の発生と福島第一原発で起きた爆発を懸念して、東京で21日に開幕予定のフィギュアスケート世界選手権への出場を見合わせる動きが出てきた。
13日にドイツスケート連盟が、選手の出場を見送らせることを正式に発表した。同連盟は「政府から日本への渡航自粛が出ているので、それに従うことにした」との声明を出した。
昨年12月のグランプリファイナルで優勝した男子のパトリック・チャンらが所属するカナダ連盟は、出場するかどうかは選手自身の決断に任せることを決め、15選手が出場する米国連盟も、状況を見極めているという。米国選手権優勝の男子のライアン・ブラッドリーは「出場したい気持ちは強いが、行くことに心配もある。日本では、スケート大会よりもやらなければいけない大事なことがある」と米メディアの取材に語った。仏連盟は、大会に備えて日本で練習していた欧州選手権の男子優勝、フローラン・アモディオを帰国させている。
大会は予定通りに開幕することになっていたが、原発事故の影響を受け、国際スケート連盟(ISU)のチンクアンタ会長が懸念を示すなど、開催自体が微妙になってきた。中止になった場合、ソウル、北京、トリノ(イタリア)などで開催する可能性を米メディアは報じている。