福島の原発 安全確保めど立たず
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福島の原発 安全確保めど立たず

3月14日 3時1分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

福島県にある東京電力の福島第一原子力発電所と福島第二原子力発電所では、多くの原子炉で、原子炉を冷やす機能が十分に確保できなくなっているため、冷却機能を回復させる作業が続いていますが、地震の発生から4日目を迎えた14日も安全を確保するめどは立っていません。

このうち、福島第一原発の3号機では、原子炉を冷やす水の水位が13日午後以降下がりはじめ、午後7時前でも、燃料棒が全体の半分ほどに当たる2.2メートルほど水面の上に露出していて、燃料が溶けた可能性があるということです。このため、大量に水素が発生して原子炉建屋の上部にたまり、12日の1号機と同じように、3号機の原子炉建屋でも、今後、水素爆発が起きる可能性があるとしています。しかし、原子炉やそれを覆う格納容器は、万一、爆発が起きても衝撃に耐えられるとしていて、東京電力は水素を取り除く方法がないか検討しています。また、3号機では、格納容器の圧力を下げるため、13日午前8時40分すぎに容器内の空気を抜きましたが、午後になって空気を抜くための弁が閉じてしまい、圧力が再び上がり始めていました。しかし、その後の復旧作業で、13日午後9時すぎに弁が再び開いたことが確認されたということです。一方、爆発が起きた1号機は、安全を確保するため、原子炉とそれを覆う格納容器の中に海水を満たす作業が続けられています。しかし、13日夜の段階でも、原子炉の中で燃料棒が1メートル70センチほど露出しているとみられ、海水を流し込んで冷やす作業を続けています。さらに、2号機では、原子炉内の水の高さが通常よりも低い状態ですが、水面より上に露出する状態にはなっていません。格納容器内の圧力は通常より高い状態で、東京電力は、圧力を下げるために発電する電源車をつないで回復しようとしていますが、うまくいかず、今後、容器の空気を抜いたり、海水を使って冷却したりすることも検討しています。一方、福島第二原発については、1号機と2号機、4号機で、原子炉を冷やすために海水をくみ上げるポンプが津波の影響で動かなくなり、十分な冷却機能が確保できなくなっています。このため、東京電力は、14日の朝にかけて、1号機のポンプを動かすモーターを交換したあと、2号機と4号機でも、順次、同じ作業を行い、冷却機能の回復を図りたいとしています。地震の発生から4日目を迎えた14日も、原子炉を完全に止めて安全を確保するめどは立っておらず、東京電力は復旧作業を急いでいます。