長野市民会館と市役所第1庁舎建て替えをめぐり、政治団体「信州・生活者ネットワークながの」(長野市)が賛同者を募って新たな会をつくり、2施設建て替えの賛否を問う住民投票条例制定を求める直接請求に向けて署名活動を始めることが12日、分かった。9月18日投開票の市議選と同日実施を目指し、5月中旬に直接請求に必要な署名集めを始めたい考えだ。
開会中の市議会3月定例会に、他の二つの市民団体が市民意向調査を行うよう請願書を提出。14日に総務委員会(10人)が請願書を審査するものの不採択とする公算が大きく、市民会館解体費や2施設の基本設計費など約2億円の予算案も可決される見通しになっていることを踏まえた。
2施設の建設について同ネットワークの山岸綾子代表は「きちんとした情報を得て市民みんなで決めていきたい。大勢の人と一緒に運動を進めたい」としている。
同市の有権者数は2日現在で31万2912人。地方自治法によると、直接請求には50分の1に当たる6259人以上の署名が必要となる。同ネットワークは今後、署名集めを担う「受任者」も募る。
請願書を提出した団体の一つで、市民会館と第1庁舎の耐震改修を求める「県民主権をすすめる会」の茅野実世話人代表は12日、取材に対し「市民が声を上げることが大事。全面協力する」と述べた。
公共施設建設をめぐり、住民投票条例制定を求める運動は、県内で2002年に須坂市、03年に松本市、05年と06年に塩尻市であった。それぞれ総合体育館、新市民会館(現まつもと市民芸術館)、市民交流センターの建設の是非が焦点となり直接請求が行われたが、いずれも議会が条例案を否決した。