ここから本文です。現在の位置は トップ > 地域ニュース > 愛媛 > 記事です。

愛媛

文字サイズ変更

東日本大震災:福島原発被害 市民団体「伊方、運転中止を」 /愛媛

 ◇四電「事態は重大」

 東日本大震災は、福島第1原発1号機(福島県)で、国内初の炉心溶融という最悪の事故を引き起こした。伊方原発(伊方町)を運転する四国電力はとまどいを隠せず、県内の市民団体は12日、同原発の運転中止の措置を県に申し入れた。一方、宇和海沿岸に出されていた津波警報が同日午後1時50分に解除されたが、県は災害警戒本部は継続し、引き続き警戒態勢を続けた。

 「詳細な状況はわからないが、事態を重大に受け止めている」

 四国電力は、福島での原発被害を深刻に受け止めた。伊方原発が想定している最大規模の地震は最大加速度が570ガルだが、今回は2000ガルを超えているとみられ、想定をはるかに超える地震が起こる可能性が浮き彫りになった。

 今回、福島第1原発1号機で、緊急炉心冷却装置(ECCS)のバックアップ電源となる発電機も含めたすべての電源が喪失。原子炉の冷却ができなくなった。伊方は福島と同じ軽水炉でも、沸騰水型の福島とは違う加圧水型で構造が違うが、同様の事態となれば、電源車など外部電源を調達してきて、原子炉に水を注入して冷やす同じ措置を取るしかないという。

 原発に反対する原発さよなら四国ネットワークなど県内の市民団体ら5団体は同日、県に伊方原発運転の停止措置と耐震性の安全性見直しを申し入れた。

  ◇

 被災地救援のため、県立中央病院(松山市)と愛媛大医学部付属病院(東温市)の災害医療派遣チーム2チームが11日夜、被災地の仙台市や福島県に向けて出発。日本赤十字社県支部も、救護班8人が12日朝、福島県に向かった。

 一方、地震の影響で羽田発松山行1便が欠航した松山空港。東京都葛飾区、会社員、外間繁さん(59)、香代子さん(54)夫妻は前日、都内で仕事中に地震に遭遇したという。外間さんは「羽田空港では、昨日から並んでいる人や床に寝て待っている人もいた」と語っていた。

 また、13日の「宇和島発ブラッドオレンジフェア」は、地震の余波で中止となった。【栗田亨】

毎日新聞 2011年3月13日 地方版

 
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド

毎日jp共同企画