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Research Request No.0526
「緊急報告!首都圏大停電の危険性はまだ存在する!?」

2003/07/27 報告
今年4月、東京電力の原子力発電所全17基が停止。そのため、現在の電力不足の状態では首都圏が猛暑になれば、電力供給が追いつかず関東全域が大停電に陥ると言われてきた。しかし、7月27日現在、35度を超えた報告はゼロ。原発も4基が再稼動し、電力不足は解消されると思われた。ところが、我々は8月に入ってから電力不足が深刻になる可能性があるという新情報を入手した。
東京大学 山形俊男教授によれば「ダイポールモード現象」が原因で、8月上旬に日本列島が激しい猛暑に見舞われる可能性があるという。「ダイポールモード現象」とは、インド洋の東部の海水温度が異常に低下、西部の海水温度が異常に上昇する現象である。この現象によって、発達した小笠原高気圧が太平洋高気圧と合わさって巨大化して日本列島のほぼ全域を覆うことで、例年にない猛暑になる可能性があるというのだ。そして、今年の「ダイポールモード現象」の発生状況は、8月に気温39.1度という猛暑を記録した1994年と非常に似ているという。実は今年の電力の予想最大需要は、最高気温35.2度を想定して計算されている。そのため、もし今年の8月上旬、首都圏を気温39度前後の猛暑が襲った場合には、首都圏で大停電が起きる可能性が極めて高いというのだ。そうなれば復旧には最低でも半日はかかり、もし3日間停電が続けば経済的損失は約3兆円に達すると推定される。
電力中央研究所 浅野浩志博士によれば、企業などの電気使用量を制限しても電力供給が足りない場合、「輪番停電」を実施する事で大停電を避ける事ができるという。「輪番停電」とは、広範囲の一斉停電を防ぐため、地域ごとに順番に1〜2時間程度の停電を行って不足する電力を補うことで、被害規模を最小限に抑えることができるというものである。しかし、「輪番停電」は、場合によっては事前の通知がないまま、実施されるケースもある。
そこで、突然の停電に見舞われた場合には
@住居…マンションのオートロックは開放状態となっている。エレベーターも停止しているため、階段のみの使用となる。家電製品は全く使用できないが、冷蔵庫は閉じたままであれば1時間程度は冷気を保つ事ができる。高層住宅は水を電気ポンプで給水している事が多いため、水道やトイレは使用できない。停電発生が事前に分かれば、浴槽などに水を溜めておくと良い。電話や携帯電話は、各社の予備電源装置が作動するため、停電後数時間は通話が可能である。
A交通…停電でほとんどの信号が点灯しないため、警官が手信号で交通整理を行うが、交通量が多い交差点などは大渋滞や事故を招く可能性がある。コインパーキングは車が出せない状態になる。地下鉄や私鉄は運行を見合わせるが、JRは自営電源でまかなっているため、場合によっては停電地域での運行が続けられることもある。
Bオフィス…会社内は照明がついていないため薄暗く、クーラーは切れていて熱い。インターネットに接続は可能で、バッテリーで駆動するパソコンを用いて仕事をする事ができる。銀行のオンラインシステムや銀行に併設されたATM機は停電時でも使用する事が可能である。
C商業…スーパーやコンビニは冷蔵庫やレジなどに支障をきたすため、通常営業は望めない。停電時に必要なろうそくや懐中電灯、ラジオなど前もって購入しておく。
今後、実施される可能性がある「輪番停電」。日頃からニュースなどに注意すると共に、大停電を避ける何よりの方法が我々の節電であることを改めて認識して頂きたい。
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