「リスゲオン」というボードゲームを御存じだろうか皆さんはボードゲームという響きを耳にしたことはあるだろうか。
ポップカルチャーファンなら御存じの方も多く、あらためてボードゲームについて説明をするまでもないのだろうが、今回「ぽぷかる」に出展を希望されている同人サークルさんが大枚はたいて制作されたオリジナル・ボードゲーム「リスゲオン」を愛知ぽぷかる制作委員会が試しに遊んでみたところ、ボードゲームを知らないメンバーも含め全員がはまってしまったため、少し、ボードゲームやこの「リスゲオン」について書くことにした。
ボードゲームとは?定義づけることは大変難しいのだが、ボード(盤)上でコマやカードを使って遊ぶゲームを総称してそう呼ぶらしい。とにかく種類が多く競争ゲーム、マンカラ、包囲ゲーム、戦争ゲーム、配列ゲームなどに歴史的には分類されるのだそうだ。 しかし、近現代に考案されたゲームのルールにはこれらの分類に当てはまりにくいこともあるらしい。
具体的には将棋やチェス、そして囲碁。双六やモノポリーなどもそう。麻雀やトランプ、UNOなどももちろんそうだ。また、ゲームプレイヤーが実際にテーブルやボードを囲んで行うゲームを指してボードゲームと呼ぶこともある。
今や、実際のボードの上ではなくインターネットで繋がれ、パソコンの画面上でもできるのだから、時代の流れを感じてしまう。
それぞれのゲームにコアな愛好者がいるのだが、特にドイツのボードゲームには優れたものが多く、世界的な人気を博している優れ物に「ドミニオン」がある。
ドミニオンは、『プレイヤーの領地が山札 (デッキ)という形で表現され、ゲームを通してカードを購入しデッキを構築していくことで領地を拡張する。このカード購入とデッキの構築プロセスその物が、プレイの主体となっており。登場時より、その斬新さが大きな注目を集めた。トレーディングカードゲームのような戦略の多様性を持つが、1回のゲームで使用するのは25種類以上あるうちの10種類で、毎回異なるゲーム展開を持ち、新鮮なプレイを楽しめるのが特徴。現在では、全世界で19の言語で30万部以上を売り上げるなど商業的成功を収め、さらにドイツ年間ゲーム大賞、ドイツゲーム大賞、アラカルト・カードゲーム賞においてグランプリを受賞し、史上初となる3冠を達成するなど9つの賞を獲得し、非常に高い評価を得ている。(ウィキペディアより)』
その「ドミニオン」に魅せられ、リスペクトし、さらに妄想と改良を加え作り上げたボードゲームが「リスゲオン」だ。
ゲームをする前に感動したのが、イラストレーター33名の協力を得てできたというカードの絵はどれもこれも素晴らしい作品ばかりだ。萌えてしまう。そして、カードの手触りも素晴らしい。個人の作品のレベルではないものだ。
あまりにも凄いこだわりぶりに、制作者であるPAZさんに伺ってみた。
「日本で一番いい印刷会社に頼みました!」と笑いながら答えてくれた。
一番とはどういうことかと尋ねると、カードゲームをするうえでのこだわりに妥協せずに向き合った結果、それに答えてくれる印刷会社を選んだのだとPAZさんは言う。確かに、手に取ればわかる。それほど凄い。ただ者ではないな、と。
余談だが、PAZさんは、明るく、熱心で、愛嬌のあるヲタクだ。
この制作にいくら掛ったのかと聞くと、またまた笑いながら、とてつもない金額を答えた。それには驚いた。いったいいくらで売れば、回収できるのだろうと下世話なことを思った。そして口に出した。すると、こう答えた。
「本当は1つ1500円で売りたいんですが、1000円にしています。安くしてあげた方が、みんながこのゲームを楽しんでもらいやすくなりますから。」
なんと慈悲深い人だ。
計画性を求めるドミニオン。臨機応変を求めるリスゲオン
「リスゲオン」。
「ドミニオン」をリスペクトしているので、ゲームの基本は「ドミニオン」と似ている。一番の違いは「ドミニオン」が、ゲーム開始時に25種類のカードからランダムで10種類をあらかじめ選べるため、自身のゲーム戦略を計画的に進めるところに特徴があるのだが、「リスゲオン」は、積まれたカードから4枚を順番にとっていかなければならず、偶然性の要素が強くなり、より臨機応変の態度と戦略で挑まなければならない。いずれにしても、面白い。
アクション、技能…など多彩な絵札とルールが、知的欲求をくすぐる。
筆者の文章ではゲームの楽しさ、面白さは伝わらないかもしれないが、愛知ぽぷかる制作委員会は、仕事を忘れゲームを堪能したことだけは伝えることができる。
私たちは、この興奮を少しでも多くの人に味わってもらいたくて、『ボードゲーム体験コーナー』をRed会場に設けようと企んでいる。
当日、PAZさんも参加し、初心者にもわかりやすく教えて頂けるとのことだから、
遠慮なく、PAZさんに声をかけてもらいたい。声のかけやすい人だ。
なにせ、PAZさんは、明るく、熱心で、慈悲深いヲタクだから。
筆者: ぽっP