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原発爆発、米中露にも衝撃 東日本大震災

産経新聞 3月12日(土)23時26分配信

原発爆発、米中露にも衝撃 東日本大震災
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福島第1原発の原子炉(写真:産経新聞)
 放射性物質の漏れが起きた福島第1原発の被害の行方を、中国、ロシアの原発推進国と原発新設を再開する米国の3大国は最大限の関心を持って注視している。安全対策に教訓を得ようとする一方で、各国に推進の立場を変更する考えはうかがえない。事態の悪化が政策の見直し論議につながることには警戒感を隠せずにいる。(北京 川越一、モスクワ 遠藤良介、ワシントン 柿内公輔)

【写真をみる】記者会見する原子力安全・保安院の中村審議官

 「世界の原子力産業が、この機に日本の経験から学ぼうとするだろう」−。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、こんな専門家の見方とともに、日本の原発被害に寄せる世界の関心の高さを伝えている。

 中国環境保護省の張力軍次官は12日の記者会見で「原発発展計画を変更することはない」と宣言した。

 経済急発展に伴い、電力需要が拡大する中国は、環境汚染の元凶である石炭を使った火力発電から原発への移行を着々と進め、稼働中の原発は13基。建設中の原発は20基を超える。

 中国では地震が多発し、昨年5月には、広東省深センの大亜湾原発で燃料棒にひびが入る事故も起きたが、張次官は「日本の放射物質漏れは影響を及ぼさない」と意に介さない。

 中国が狙うのは“原発輸出国”への転身だ。国内需要が満たされれば、目を海外に転じるのは確実。今年1月には使用済み核燃料からウランなどを取り出す再処理技術の開発実験に成功。日本の原発事故を今後の攻勢の“追い風”にしたいという思惑もちらつく。

 ロシアも“原発覇権戦略”を鮮明にし、日本のメーカーから先端技術を導入する協調路線も模索していただけに、福島第1原発の事故の衝撃は大きい。

 旧ソ連時代の1986年にチェルノブイリ原子力発電所事故を経験しており、極東部では大気中の放射線レベルを測定する頻度を高めて警戒している。

 ロシアは原子力を石油、天然ガスに次ぐ戦略的エネルギーと位置づけ、国策原子力企業「ロスアトム」が中国やインドなどで原発建設を受注し存在感を増してきた。日本の事故を機に「地震地帯で原発を建設することの危険性」を指摘する専門家の見解も出始めた。海外展開に一定の影響が出る可能性もある。

 一方、輸入石油依存から脱却を目指す米国は、ブッシュ前政権下の2005年成立のエネルギー推進法で、1979年のスリーマイル島原発事故以来停滞していた原発の推進へ転換。オバマ大統領も昨年、「安全でクリーンな次世代原発を建設する」とし、約30年ぶりの原発新設に融資保証を供与すると発表した。

 日本の原発被害について米国は「日本政府の管理下にある」(国務省高官)として情報収集に徹しているが、国内の政策見直し論議が再燃する可能性もある。


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最終更新:3月12日(土)23時43分

産経新聞

 

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