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物流まひ 道民生活直撃 生鮮食料品の値上がり懸念

(03/12 23:47)

函館−青森を結ぶフェリーの欠航が続き、足止めされたトラックが並ぶ函館市の津軽海峡フェリーターミナル=12日午後1時

函館−青森を結ぶフェリーの欠航が続き、足止めされたトラックが並ぶ函館市の津軽海峡フェリーターミナル=12日午後1時

 東日本大震災による交通網の分断で、道内でも支障が出始めた。地震直後から本州方面とを結ぶ鉄路やフェリーが止まり、貨物や生鮮食料品を輸送しづらい状況が続く。物流まひが長引けば、日用品の品薄状態や価格上昇など道民生活に深刻な影響を及ぼす可能性もある。

 JR貨物は、地震発生直後の11日午後3時ごろから運行を全面ストップした。北海道から本州へは農産物や自動車部品を運び、本州からは主に書籍・雑誌や宅配便などを載せる鉄路の大動脈。「春は引っ越しシーズンで稼ぎ時だが再開のめどは立たない」(道支社)という。

 本州からの生鮮食料品の主な運搬手段となるトラックも、フェリーの運航停止で足止めを強いられている。フェリー各社は、津波警報の解除後に運航を再開する方針だが、地震前のような物流回復には「被災地の道路状況の確認などで1、2週間かかる」(津軽海峡フェリー)との見方もある。

 十勝管内などで21店舗を展開するスーパーダイイチ(帯広)は「この時季の野菜や果物はほとんどが本州産で、仕入れへの影響は必至」と話す。札幌市中央卸売市場は「宮城県沖にはサバやバチマグロの漁場があり、しばらく入荷は途絶えるはず。鮮魚の価格は全般に高くなるだろう」とみる。

 燃料も品薄状態になりつつある。ガソリン貯蔵基地である苫小牧や釧路などの港へ運搬車が出入りできないため、元売り会社が市場への出荷を見合わせているためだ。仙台など被災地の複数の製油所が操業停止に追い込まれたこともあり、全国的にガソリンや灯油の品薄状態が長期化する恐れもある。

 道内ガソリンスタンド経営大手の北海道エネルギー(札幌)は12日から、一般車両へのレギュラーガソリン販売を1台当たり20リットル以下に抑えた。8店舗を展開する札幌河辺石油(札幌)も同様の措置を取り、「満タンでの販売はできないとお客さんに頭を下げてお願いしています」。

 ビートなどの苗をビニールハウスで育てる時期に入った農家も不安を募らせる。保温に灯油が必要なためで、十勝農協連の山本勝博会長は「雪解け後はトラクターなどにも軽油を使う。必要な量をすべて確保するのは難しいのではないか」と話す。

 一方、日本郵政は宅配便「ゆうパック」の東北6県、茨城県向け荷物の引き受けを取りやめた。道内間や首都圏向けについては、配達日数が遅れる可能性を客に理解してもらった上で受け付けている。ほかの宅配便会社も、ほぼ同様の措置を続けている。

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