米国、原子力発電所の冷却剤を日本に緊急空輸

  ヒラリー・クリントン米国務長官は現地時間11日、米空軍を派遣して、危険のある日本の原子力発電所に冷却剤を緊急に空輸したことを、駐中国大使に指名されたばかりのゲーリー・ロック商務長官とともに大統領輸出評議会に出席した際、明らかにした。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

  クリントン国務長官は、日本は非常に原子力発電に頼っており、その技術基準はかなり高いものだが、そのうちのひとつの原子力発電所が現在地震で危険な状態にあり、冷却剤が足りないと述べ、米国が空軍を派遣してこの原子力発電所に緊急に冷却剤を空輸したことを明らかにした。

  オバマ米大統領と菅首相は同日午前中の電話で、放射性物質の漏えい問題について話し合ったばかりだった。オバマ大統領は原子力発電所の放射能漏れを表わす証拠はまだないと菅首相から聞いたが、エネルギー省のスティーブン・チュー長官に、日本の担当官と密に連絡を取るよう指示したという。

  日本東北部の海域で11日、マグニチュード(M)8.8の大地震が起き、福島第一原子力発電所は自動停止したが、炉心冷却システム(ECCS)に使われる非常用発電機もすべて停止したため、原子炉を冷やすことができなくなった。日本のメディアによると、こうした状況は日本国内の原子力発電所で初めてのことだという。作業員が装置の修復にあたっている。

  巨大地震で自動停止した東京電力福島第一原子力発電所の正門前で、放射線量が通常時の約8倍、1号機の中央制御室では、同約1000倍に達している。日本で放射能漏れが確認されたのは初めて。

  原子炉の格納容器の圧力が上昇による格納容器の損傷を防ぐため、保安院は東京電力に格納容器の蒸気を外部に逃すよう指示した。菅直人首相は12日7時45分、法に基づき、「原子力緊急事態宣言」を発令した。(編集担当:米原裕子)

【関連記事・情報】
4人負傷、放射物質拡散か、福島原発の建屋で爆発、白煙(2011/03/12)
各地の自治体、原発立地、「大変な事態」と懸念(2011/03/12)
各地で非難の声、反原発団体「恐れていた通り」(2011/03/12)
放射性物質が周辺に拡散、福島第1原発、炉心溶融(2011/03/12)
東北地方太平洋沖地震、中国赤十字会が1200万円を寄付(2011/03/12)

各国ブログから見る日本、世界では日本をこう見る - サーチナ・各国ブログ

注目の企画