前原誠司前外相が政治資金規正法の禁じる外国人からの献金を受け取っていた問題で辞任した。菅直人首相の慰留にもかかわらず、前原氏の辞意は固かった。「辞任ドミノ」の懸念にも、前原氏を支えるグループは「内閣よりも前原」を選択した。小沢一郎元代表を支持する勢力の復権に気をもむ首相は、いつのまにか四面楚歌(そか)になりつつある。
■4日に一旦辞意
3日昼、首相は国会近くのそば屋で民主党の仙谷由人代表代行と2人きりで向かい合った。この日朝、首相が急きょ呼びかけたものだ。
前原氏の政治団体が脱税事件で起訴された男性の関係会社にパーティー券を購入してもらっていた問題が発覚。その男性の関係会社は野田佳彦財務相のパーティー券を購入し、蓮舫行政刷新相の政党支部にも献金していたことが明らかになっていた。政権中枢を襲いかかる「政治とカネ」の問題に官邸は慌てた。
首相は官邸に戻ると、前原氏を呼んだ。この日、前原氏は地元・京都の知人を通じ在日外国人からの献金問題の存在も知らされた。夜のグループの幹部会合では「パーティー券の購入問題だけなら大丈夫なんじゃないか」と楽観的な声も上がったが、前原、仙谷両氏の表情は浮かなかった。前原氏の会計担当秘書が政治献金の資料の束を抱えて地元・京都から上京していた。
4日の参院予算委。自民党の西田昌司参院議員が外国人からの献金問題を追及すると、党内の楽観論は一変した。広がる辞任論に、前原氏は周囲にいったん辞意を漏らしたが、封印された。
■偽メールの教訓
「外交には敵も味方もいない、あるのは国家利益だけだ」。5日午後、前原氏は神戸市内で開いた外務省主催の対話集会で、自身の好きな言葉の1つを紹介した。辞任論が強まる中、自身の外交に懸ける思いを振り返るかのようだった。
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