厚生年金基金 積立金が不足
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厚生年金基金 積立金が不足

3月8日 5時51分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

企業年金の1つで主に複数の中小企業が共同で導入している「厚生年金基金」の積立金が、全体の半分以上に当たる364の基金で将来の支給に必要な額を下回り、あわせて1兆1200億円不足していることが分かりました。厚生労働省は、すでに支給を受けている人に影響はないものの、このまま積立金が不足する状態が続けば、将来的には支給額が減るおそれがあるとして、適切な運営を指導していくことにしています。

企業年金の1つ「厚生年金基金」は、主に複数の中小企業が共同で導入し、全国でおよそ600の基金が加入者の保険料を運用し、厚生年金に上乗せして支給しています。これまで厚生労働省は、年度ごとに、財政状況が3年連続で一定の水準を下回った基金について、名称を公表し、財政健全化計画を提出させるなどの指導を行ってきましたが、具体的な損出額については明らかにしていませんでした。こうしたなか、民主党の参議院議員から資料の提出を求められたことを受けて、厚生労働省は、去年3月現在の調査で、半分以上に当たる364の基金の積立金が将来の年金の支給に必要な額を下回り、あわせて1兆1200億円不足しているとする基金の財政状況の全容を明らかにしました。厚生労働省は、長年にわたって給付水準が高く設定されていたことに加え、リーマンショック以降、積立金の運用が当初の想定どおりいかなくなっていることが原因とみています。そして、すでに支給を受けている人に影響はないものの、このまま積立金が不足する状態が続けば、将来的には支給額が減るおそれがあるとして、適切な運営を指導していくことにしています。