国会内にある民主党の安住淳国対委員長の執務室に4日、1メートル四方大の旗が持ち込まれた。海上で船舶間が通信に使う国際信号旗の一つで、赤、青、黄、黒の4色でアルファベットの「Z」をかたどった「Z旗(ゼットき)」。前副防衛相で戦闘機や軍艦を執務室に飾る安住氏が取り寄せた。
Z旗は、日本海軍の連合艦隊がロシア・バルチック艦隊に大勝した1905年5月の日本海海戦で、東郷平八郎司令長官が旗艦三笠に掲げさせた旗。アルファベットの最後の文字で「後がない」ことから転じて、「皇国ノ興廃此(こ)ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ」との意味が込められている。
安住氏は周辺に「予算関連法案を成立させるって意味だ」と解説する。11年度予算案の関連法案審議が大詰めを迎える3月は、民主党にとってまさに「興廃この一戦にあり」だが、前原誠司前外相の辞任をはじめ戦況は悪化するばかりだ。
国会という戦場で、安住氏が采配を間違えば民主党もろとも「Z」(終わり)となる。【横田愛】
毎日新聞 2011年3月8日 東京朝刊