金融庁は7日、09年の政権交代直後から休眠状態だった金融審議会(首相などの諮問機関)を1年3カ月ぶりに再開した。吉野直行慶応大教授を新会長に選出。(1)金融業の中長期的なあり方(2)上場企業の内部情報を基に株式を不正売買するインサイダー取引規制の見直し(3)保険会社のグループ経営に対する規制--の3テーマを議論することにした。
学者や金融界出身者が金融制度や行政のあり方を議論する金融審は、民主党政権による「政治主導」の政策決定方針の影響で、09年12月を最後に開かれていなかった。しかし、今年1月の委員改選を機に「専門的見地からの議論も必要」(自見庄三郎金融相)として再開が決まった。委員を従来の27人から16人(再任8人、新任8人)に減らした上、テーマごとに外部有識者も参加できるように変更した。【中井正裕】
毎日新聞 2011年3月8日 東京朝刊