2011県議選 決戦の構図
現職の牙城どう崩す
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秋田市選挙区(定数13)では現職11人に新人7人が挑む。前回は新人10人中、5人が初当選を果たした。今回は現職の壁を突き崩す新人がどれだけ出るのか。選挙戦の焦点の一つだ。
新人7人のうち、政党の公認を得ているのは、元県職員の沼谷純と会社社長の黒崎一紀の2人。秋田市議の菅原博文、元参院議員の鈴木陽悦、市民団体代表の丸野内胡桃、元銀行員の三浦茂人、元市議の三浦芳博の5人は無所属で立候補する。集票力のある新人が少なくなく、再選を目指す現職の一部を脅かす存在となっている。
沼谷は選挙区唯一の民主党公認候補予定者。寺田学衆院議員の全面的な支援を受ける。県政を内側から見てきた経験を基に「現在の県議会は県当局の提案を丸のみする『なれ合い議会』」と批判。議会改革を訴え、現状に疑問を持つ有権者への浸透を目指す。
2009年の県議補選を含め3度目の出馬となる黒崎はみんなの党公認で立つ。地元・雄和をはじめとする支持者へのあいさつ回りは既に二巡目に入った。昨夏の参院選で躍進した同党の政策を前面に打ち出し、無党派層にも食い込もうと懸命だ。
その参院選で落選した鈴木は今年2月に民主党を離党、無所属での立候補を表明した。国会議員経験者としては異例の出馬となるが、「国政の経験を県政に」と強調する。知名度の高さを武器に、地元・寺内だけでなく市内全域からの集票を狙う。
07年の市議選でトップ当選した菅原も知名度を生かした選挙戦を展開したい考え。06年まで「まるさん」の芸名でテレビ、ラジオ番組に出演しており、芸名で選挙に臨む予定。当選ラインに達するには、市議選で獲得した約4700票からの上積みが必要だ。
秋田市長選に2度出馬した経験のある丸野内は、今期限りで引退する現職の夫・鈴木孝雄の後継。鈴木の後援会役員をスタッフに迎え、鈴木の支持者への支援呼び掛けに力を入れる。これまで続けてきた市民運動の関係者からの得票にも期待する。
三浦茂は昨年10月、地元・外旭川に事務所を構え、精力的な活動を展開。外旭川が地元の立候補予定者はおらず、同地区を中心に泉、将軍野でも浸透を図っている。銀行員時代の人脈を生かした票の積み上げも狙う。
09年の補選に続く挑戦となる三浦芳は、市議時代からの地元・旭南の後援会を軸に、あいさつ回りを重ねてきた。楢山、土崎、広面にも新たな後援会を組織。補選時に設立した会社役員でつくる後援会の協力も得て、支持拡大に努めている。
(敬称略)
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