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外相辞任、失墜する「与党」のハク 選挙戦術も混迷 | ||
在日外国人からの献金問題で前原誠司外相が辞任することになり、ゴタゴタに拍車がかかる民主党。同党の公認や推薦を受けて県議選に出馬を予定する候補からは「泣きっ面にハチ」と恨み節が漏れる。小沢一郎元代表の処分に端を発した衆院議員16人の会派離脱騒動、佐藤夕子衆院議員の離党届、そして前原外相辞任…。自らの党が吹かせる逆風を受けながら「党を出さず個人票を掘り起こすしかない」と、悲壮感も漂う。
7日朝の佐賀市大和町の交差点。現職で2期目を目指す藤崎輝樹氏(40)=佐賀市=が、大串博志衆院議員らとともに通勤する車に手を振った。時折鳴るクラクション、車から手を振る人もいるが「厳しい感じ」と藤崎氏。支持者を回れば中央の批判が相次ぐという。
2カ月前は小沢元代表批判が多かったが、今は党の内輪もめ批判が圧倒的だ。まずおわびが欠かせないといい、外相辞任については「やむを得ないがショック。政権にとってマイナスだが統一選への影響は小さくとどめた印象」と話す。
「政権与党という追い風よりもむしろ逆風。正直言って勘弁してほしい」。新人の江口善紀氏(43)=佐賀市=は率直に話す。「党の看板や浮動票は期待できず、一人一人に地道に訴えて支援の輪を広げるしかない」と危機感を強める。
前回の自民公認から今回は民主公認となった元職の松尾真介氏(52)=伊万里市=は「この時期になんで民主党から…」とよく言われる。個人をアピールする作戦で、後援会のリーフレットには民主党の文字は出さなかった。「何をやりたいのかしっかり伝えて支持を得たい」と語る。
この他の各地の候補者も「潔い辞任は評価したいが、私の状況は泣きっ面にハチ」と憤ったり、「国政は政党の戦いだが、地方選挙は個人重視」と気持ちを切り替えたり。いずれにしろ、“風”は期待できない状況だ。
2月の市議補選で民主公認候補が当選候補に大差で敗れた鳥栖市が選挙区の新人原康彦氏(56)は「私という人間をどう評価してもらえるか。民主の理念を守りつつ、地方の独自性を出しながら頑張りたい」と話した。 |
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2011年03月08日更新 |