自民党神奈川県連は9日、統一地方選で実施される県知事選(24日告示、4月10日投開票)に元フジテレビキャスターの黒岩祐治氏(56)を擁立する方針を決めた。9日夕、正式に出馬要請する。同県知事選をめぐっては、2期目の任期満了を迎える現職の松沢成文知事(52)が東京都知事選への立候補を表明し、同党が人選を進めていた。
黒岩氏は同日朝、毎日新聞の取材に「自民党から単独で出ることはあり得ない。政争に明け暮れる中央政界の状況に危機感を覚えている。地方は一致団結して国に向かっていかなければならず、幅広い支援態勢が得られるのであれば考えたい」と述べ、出馬に前向きの姿勢を示した。
県連の菅義偉会長は同日朝、県庁で記者団に対し、黒岩氏擁立に向け公明党、みんなの党と協議していることを明かしたうえで、民主党との相乗りについても「(告示まで)時間がなく、拒む必要はない」と語った。菅氏によると、黒岩氏は横浜市に住んでいたことがあるという。
黒岩氏は神戸市出身。早大卒業後、フジテレビに入社し、報道記者やディレクターを経てキャスターとなった。「FNNスーパータイム」「報道2001」を担当し、09年に同社を退社。東京都港区の国際医療福祉大大学院教授などを務めている。
同県知事選を巡っては、共産党推薦で無所属新人の鴨居洋子氏(66)が既に出馬を表明し、県内の一部首長の働きかけで露木順一・開成町長(55)が出馬に意欲を見せている。【木村健二、松倉佑輔】
毎日新聞 2011年3月9日 11時38分(最終更新 3月9日 23時19分)