元フジキャスターの黒岩氏、神奈川県知事選に出馬へ

神奈川県知事選で、自民党県連の菅義偉会長（右）から出馬要請を受ける黒岩祐治氏

　自民党神奈川県連は９日、現職の松沢成文氏（５２）が東京都知事選への出馬を表明した神奈川県知事選（２４日告示、４月１０日投開票）で、元フジテレビキャスターの黒岩祐治氏（５６）に正式に出馬要請した。公明党やみんなの党と連携する方針だが、黒岩氏は民主党からも擁立の打診を受けており「すぐには『はい』と言えない」と慎重な姿勢。自民・民主の「相乗り」となる可能性も浮上した。

　都知事選へ“転身”した松沢氏の後釜として、知名度＆発信力抜群の黒岩氏に白羽の矢が立った。

　自民党県連の菅義偉会長（６２）がこの日、東京・港区の黒岩氏の事務所を訪問。出馬要請を受けた黒岩氏は「大変光栄だが、すぐには『はい』とは言えない」と結論を先送りした。現職の松沢氏支援で動き“ハシゴ”を外された民主党県連からも、黒岩氏は擁立の打診を受けており、笠浩史県連会長（４６）と近く会うという。

　菅氏は黒岩氏の擁立理由を「知名度が高く発信力があり、医療福祉分野にも詳しい」と説明。「各党で支える環境ができれば前向きに考えてもらえる感触を得た。民主や公明、みんなの党などに働きかけ、応援できる態勢をつくりたい」と、各党で相乗りを目指す方針だ。国政では、政権保持へ必死な民主党と、衆院解散・総選挙に持ち込みたい自民党が激突している最中。神奈川での「呉越同舟案」は紆（う）余曲折も予想される。

　政治評論家の浅川博忠氏は「相乗り案」について「両党とも急に候補者を探し始め、手っ取り早く人気者にすがって勝てばいいという考えで、地方軽視。時代に逆行している」と酷評。「与野党相乗りなら黒岩さんの当選はほぼ確実」と分析した。

　神奈川県知事選は、これまでに共産党推薦の市民団体役員・鴨居洋子氏が出馬を表明。県町村会推薦の開成町長・露木順一氏も検討している。

（2011年3月10日06時02分  スポーツ報知）

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