政治

　東京都知事選（３月２４日告示、４月１０日投開票）で、民主党の独自候補擁立が困難な情勢になった。蓮舫行政刷新担当相や民間人などの擁立を検討してきたが、候補が固まらなかった。菅直人首相の地元で独自候補の擁立が難しくなったことで、菅政権の運営にも影響しそうだ。

　菅首相は９日夜、首相公邸で石井一選対委員長と会談。会談後、石井氏は記者団に都知事選について「政権政党としてこれでないといけないというやり方より一歩下がった立場から、政策の調整を図りながら焦点を絞りたい」と語った。

　今後、すでに出馬を表明した候補への支援などを政策面を踏まえた上で検討する。飲食店チェーン前会長の渡辺美樹氏や松沢成文神奈川県知事を支援する案もあるが、いずれの候補に対しても党内に異論もあり、方針は明確になっていない。

　都知事選を巡っては岡田克也幹事長が独自候補の擁立を目指すと表明。水面下で複数の候補に打診したものの、菅政権の内閣支持率が低迷するなか、了承が得られる見通しが立っていない。

　石井氏は「１４日、１５日という段階で首相の最終的なゴーサインをもらう」と述べ、１１日に現職の石原慎太郎都知事が対応を正式に表明するのを待ったうえで、あらためて首相と調整して決定する考えを示した。【野口武則】