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竹島署名問題:土肥氏、政倫審会長を辞任 民主常幹議長も

一連の竹島領有をめぐる問題で会見の冒頭、頭を下げる土肥隆一衆院議員=衆院第1議員会館で2011年3月10日、岩下幸一郎撮影
一連の竹島領有をめぐる問題で会見の冒頭、頭を下げる土肥隆一衆院議員=衆院第1議員会館で2011年3月10日、岩下幸一郎撮影

 民主党の土肥隆一衆院議員(兵庫3区)は10日、衆院議員会館で記者会見し、島根県・竹島の領有権主張をやめるよう日本政府に求める「日韓キリスト教議員連盟」の共同宣言に署名した問題について「政治責任を取りたい」と述べ、衆院政治倫理審査会(政倫審)会長と党の常任幹事会議長の辞任を表明した。議員辞職は否定したが、批判は与野党にくすぶっており、菅政権の新たな重荷になりそうだ。

 会見で土肥氏は「国家を背負う意識はあまりなかった。(領有権言及に)おやっと思ったが『待ってくれ』と言うのはやめた。不注意だった」と釈明。撤回を申し入れたが、韓国側の返事はないという。竹島については「固有の領土に(韓国が)黙って入ってきた。不法占拠だ」と強調した。

 同党の岡田克也幹事長は会見後に土肥氏と面会し「民主党議員として看過できない」として常任幹事会議長の辞表を受理したが、現時点での処分は否定した。菅直人首相も「一つのけじめ。大変遺憾な言動で、今後の戒めとしてもらいたい」と記者団に述べるにとどめた。

 ただ、土肥氏は首相が率いる党内グループの幹部。政倫審会長として小沢一郎元代表に出席を迫ったほか、元代表の処分を決めた党常任幹事会の議長でもあった。元代表に近い松木謙公前農水政務官は「小沢さんにはルールを逸脱して処分したのに、自分たちのことはどうなのか」と不満を表明。同党は11日に後任議長を決める両院議員総会を開くが、党内から批判が出る可能性もある。

 一方、自民党の小野寺五典外交部会長は「国会議員として適当なのか」と議員辞職要求も視野に追及する考えを示した。公明党の山口那津男代表も「菅グループの議員が国の方針に反する行いをした。菅政権が足元から崩れていることが明らかになった」と批判の矛先を首相に向けた。【青木純】

毎日新聞 2011年3月10日 23時26分(最終更新 3月11日 0時00分)

 

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