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春攻防―県議選直前情報(1)/栗原・市長支持票が焦点/登米・元新交え混戦状態
統一地方選の第1ラウンドとなる県議選(4月1日告示、10日投票)が目前に迫った。全23選挙区の61議席に10日現在、88人が立候補を表明している。政権交代を経て、民主党政権が迷走を続ける中、次の4年の県政を占う前哨戦は激しさを増している。戦いの構図がほぼ固まった各選挙区の情勢を探った。(5回続き)
<栗原> 再選を目指す自民の長谷川敦、4選を狙う無所属の熊谷義彦の2現職に、無所属元議員の川嶋保美が挑む。市長佐藤勇の支持層や共産支持票の行方が焦点。 長谷川は2月下旬に新しい後援会長が決まり、団体回りが本格化した。祖父で元法相の故峻から続く築館や栗駒などの地盤で票の上積みを図る。 社民推薦の熊谷は、労組の支援と議員活動で培った人脈が強み。築館、一迫を中心にミニ集会を開始。各種会合に足を運び全域での浸透を狙う。 川嶋は前回(2007年)落選後、自民を離党。民主党元参院議員大石正光の地盤だった若柳を固め、市北部への広がりを狙う。
<大崎> 4選に挑む佐々木征治、3選を狙う中島源陽、再選を目指す菊地恵一の自民3現職と、5選に挑戦する社民現職の岩渕義教は臨戦態勢を整えた。共産が今月、新人の内藤隆司を擁立した。 佐々木は地盤の旧鹿島台町を足掛かりに、旧古川市への浸透を狙う。中島は出身の旧岩出山町を拠点に、ミニ集会を重ね農業政策をアピール。菊地は旧古川市を軸に各種会合や支持者回りをこなし票を掘り起こす。 岩渕は後援会組織と連合宮城傘下労組に支えられる。旧古川市を中心に組織固めに力を入れる。 内藤は環太平洋連携協定(TPP)への参加反対を掲げ、農村部への浸透を急ぐ。民主は候補者擁立を断念する見通し。各陣営とも当選ラインは1万票前後と想定している。
<登米> ともに再選を目指す自民の熊谷盛広と只野九十九、5選を狙う無所属の袋正の3現職に、無所属元議員の渡辺忠悦、無所属新人の高橋理茂が挑む。無風から一転、混戦の様相が強まった。 前回は無所属で初当選した熊谷と只野は自民党色を前面に出し、知事村井嘉浩とのパイプもアピール。熊谷は旧津山町、只野は旧豊里町を拠点に市内全域での票の掘り起こしを狙う。 袋は5日、旧迫町に後援会事務所を設けた。推薦を受けた民主党の衆院議員石山敬貴(宮城4区)らと気勢を上げた。つじ立ちも欠かさない。 前回、自民公認で落選した渡辺は2月中旬に立候補を決意。出遅れをカバーしようと、旧南方町などで浸透を図る。 旧南方町議の高橋は民主党総支部幹部だったが、公認申請を却下されて離党。みんなの党からの立候補を目指す。
<遠田> 5選を狙う自民現職の中村功と、民主新人の大友新の一騎打ちになりそう。美里町が地盤の社民元議員が立候補を断念したため、同町での集票合戦が熱を帯びそうだ。 中村は涌谷町が拠点。後援会組織の結束を強めようと地域回りを重ねる。知事村井との親密ぶりも強調し票を掘り起こす。美里町にも事務所を設けて幅広い浸透を図る。 大友は10人規模の集会に力を入れる。民主党衆院議員安住淳(宮城5区)後援会の支援を受ける。自主投票を決めた社民支持層への浸透も鍵。
<加美> 4選を目指す自民現職の皆川章太郎だけが立候補を表明している。菅政権の失速とともに、民主の候補擁立作業は止まったままになっている。前回に続き、無投票当選が濃厚となった。 (敬称略)
◇県議選立候補予定者 【登米】(3―5) 熊谷 盛広 60 元津山町長 自現(1) 只野九十九 62 元豊里町長 自現(1) 袋 正 61 農業 無現(4)(民推) 渡辺 忠悦 61 会社役員 無元(1) 高橋 理茂 60 農業 無新
【大崎】(4―5) 菊地 恵一 52 会社役員 自現(1) 佐々木征治 67 党県総務会長 自現(3) 中島 源陽 48 農業 自現(2) 岩渕 義教 61 党県副代表 社現(4) 内藤 隆司 52 党地区委員長 共新
【栗原】(2―3) 長谷川 敦 38 元衆議員秘書 自現(1) 熊谷 義彦 59 党県役員 無現(3)(社推) 川嶋 保美 67 会社会長 無元(2)
【加美】(1―1) 皆川章太郎 58 元衆議員秘書 自現(3)
【遠田】(1―2) 中村 功 61 農業 自現(4) 大友 新 32 会社社長 民新 (国推)
2011年03月11日金曜日
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