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2011統一選挙とうほく

断面 県議選(4)福島/連勝民主に逆風強く/勢い込む自民 上積み狙う

<新人が推薦辞退>
 「民主党の推薦を受けたら戦えないと、後援会から反発を受けた」
 須賀川市岩瀬郡選挙区(定数3)に立候補する無所属新人が2月19日、民主党県連に推薦の辞退を申し出た。
 わずか4日前の15日に、推薦が決まったばかりだった。本人も「環太平洋連携連携協定(TPP)の参加交渉などで、民主党に不安を感じるようになった」と言う。
 推薦を撤回する羽目になった民主党県連。総務会長の宗方保氏は「本人と後援会長が頭を下げてきたのに、今更、党の方針が合わないと言い出すとは」と、怒りが収まらない。
 県議選は今回、定数58に対し、78人が立候補を表明した。2006年の出直し知事選で、社民党や連合福島とともに佐藤雄平氏を知事に押し上げた民主党。現有は16議席だが、「県政与党」として、初の過半数獲得を目標に掲げた。取り巻く環境は厳しさを増すばかりだ。
 06年の知事選後、民主党は県内の大型選挙でことごとく勝利を収めてきた。07年参院選福島選挙区(定数2)はトップ当選し、同年の参院補選(欠員1)でも議席を確保した。09年の衆院選では県内5小選挙区の完全制覇を達成。10年の参院選と知事選も制した。
 順風は、政権の混迷とともに逆風に転じた。県議選の候補者擁立も思うように進まず、現時点の公認候補は23人。このままでは戦う前から過半数獲得は
不可能な情勢だ。

<「09年と全く逆」>
 対照的に勢い込むのが、最大会派で現有26議席の自民党だ。既に29人を公認し、過半数獲得を掲げて上積みを図る。
 県連幹事長の斎藤健治氏は「今は09年の衆院選と全く逆の状況。県内の農協や商工会から次々に『全面支援します』という申し入れがある。県議選でこれほどの手応えは初めてだ」と語る。
 他党も攻勢を強める。新人3人を公認した社民、交渉会派(5議席以上)入りに向けて6人を擁立する共産、現有3議席の確保を目指す公明の3党に加え、みんなの党も会津若松市選挙区(定数4)で初の議席獲得を狙う。
 民主党の「連戦連勝」の勢いは止まるのか。逆風を乗り切り、県政与党としての基盤を固めることができるのか。
 県連の役員らはこぞって「県議選は日頃の地域での活動が問われる選挙だ。国政の影響を直接、受けることはない」と繰り返す。


2011年03月11日金曜日

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