鹿児島県は、１０日あった県議会企画建設委員会で、奄美大島で整備を進めている国道５８号網野子バイパス事業（奄美市住用役勝−瀬戸内町勝浦、約６．８キロメートル）について、２０１４年度内の完成を見込んでいることを明らかにした。一方、同国道の「おがみ山トンネル」（約１．２キロメートル）については、１１年度着工を見送る考えを示した。
　県は０３年度、網野子バイパス事業に着手。１０年３月に勝浦トンネルが完成し、現在、残る網野子トンネル（約４．２キロメートル）を役勝工区、網野子工区に分割し、掘削工事を進めている。総事業費は１５０億円を見込み、１１年度当初予算案には約２０億円を計上している。
　おがみ山トンネルの１１年度着工見送りについて、県道路建設課は「国の来年度予算が大きく展開しない中、昨年は豪雨災害もあったので、まずは災害に強い道づくりを優先したい」と説明。その上で「来年度は地域の意見を聞く機会をもう少し設けたい」とした。
　県は０９年１２月、民主党県連の意向を踏まえ、地元の合意形成も不十分だとして、おがみ山トンネルの着工を１１年度以降に先送り。代わりに網野子トンネルの整備を先行して進めるとの方針を打ち出していた。