統一地方選第1ラウンドの県議選は1カ月後に投開票日(4月10日)を迎える。現在、全17選挙区(定数38人)で計59人が立候補の準備を進めている。政権与党として初の県議選に臨む民主党は8選挙区で9人の公認・推薦を決め、みんなの党も県議選初の候補者を擁立。自民党県議が大半を占めてきた県議会の勢力図が、どう変化するかが焦点となりそうだ。各選挙区の情勢を探った。【統一選選挙班】
■甲府市
定数9に対し、現職6人、新人5人、元職1人の計12人が立候補を予定する混戦模様。当選7回で議長経験もある最大会派「自民党政友会」代表の土屋直氏と、民主党系会派「フォーラム政新」所属で4回の岡伸氏のベテラン2人は引退する。
民主党は県連幹事長で現職の樋口雄一氏を県議選唯一の公認候補として擁立。甲府市議から転身する県連役員の飯島修氏は、党への逆風を考慮して推薦にとどめた。
自民党は県連幹事長で現職の皆川巌氏を公認。07年の参院選の選挙違反事件で失職した臼井成夫氏も近く公認を受ける予定だ。
公明、共産両党はそれぞれ現職の安本美紀氏と小越智子氏を公認予定。みんなの党は、昨年の参院選に出馬した医師の根本直幸氏と、元甲府市議で石材加工会社社長の深沢芳次氏の新人2人を擁立する。
無所属で現職の土橋亨氏と仁ノ平尚子氏も立候補を表明。横内正明知事の衆院議員時代の秘書で会社役員の永井学氏は再挑戦。旅行会社社長の笹本貴之氏は議会改革などを掲げ、初の選挙戦に挑む。
■甲斐市
定数の倍の6人が出馬予定する激戦区だ。
民主党推薦の木村富貴子氏と自民党公認の大沢軍治、保延実両氏の現職3人は全員が既に立候補を表明。前回次点で落選した山田一功氏、前甲斐市議の込山伸一氏、昨年の参院選で1万2721票を獲得した木川貴志氏も準備を進めている。
前回県議選では、旧町ごとに各1人が当選。今回は、木村氏と込山氏が旧竜王町、大沢氏と山田氏が旧双葉町、保延氏と木川氏が旧敷島町を地盤としており、いずれも現新が争う構図となりそうだ。
■山梨市
定数2に対し、現職1人、新人2人が立候補を予定している。
自民現職の望月清賢氏陣営では、故中村照人市長の後援会長らを選対幹部に迎え、保守勢力の結集を図る。
民主党県連は、昨年山梨市長に転身した竹越久高氏の後任として、新人の会社社長、高木晴雄氏を推薦予定。
前山梨市議の向山輝氏は無所属。長く2議席を分け合ってきた自民、民主両党とは違う第三極として存在感を示したい考えだ。
■甲州市
定数2に対し、立候補予定は自民現職の高野剛、鈴木幹夫の両氏。無投票の可能性も。民主党県連は同党サポーターの甲州市議らの擁立を模索したが、長く自民党候補が独占する選挙区だけに、具体化できなかった。
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■立候補予定者■
樋口雄一 51 民現(3)
皆川巌 65 自現(4)
臼井成夫 66 自元(7)
安本美紀 57 公現(1)
小越智子 47 共現(1)
仁ノ平尚子 52 無現(2)
土橋亨 58 無現(1)
飯島修 56 無新
笹本貴之 39 無新
永井学 36 無新
根本直幸 45 み新
深沢芳次 58 み新
大沢軍治 72 自現(3)
保延実 62 自現(2)
木村富貴子 68 無現(3)
木川貴志 37 無新
込山伸一 38 無新
山田一功 51 無新
望月清賢 63 自現(3)
高木晴雄 60 無新
向山輝 52 無新
高野剛 62 自現(4)
鈴木幹夫 59 自現(2)
表は、氏名、年齢、党派、現職・元職・新人の別、カッコ内数字は当選回数(敬称略)
毎日新聞 2011年3月11日 地方版