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【社会】

元少年3人、死刑確定へ 連続リンチ殺人事件

2011年3月10日 16時08分

 愛知、岐阜、大阪の3府県で1994年、11日間に男性4人が死亡した連続リンチ殺人事件で、強盗殺人罪などに問われた犯行時18〜19歳の元少年3被告=いずれも(35)=の上告審判決で、最高裁第一小法廷は10日、被告側の上告を棄却した。3人全員を死刑とした2審名古屋高裁判決が確定する。

 少年事件で死刑が確定するのは、千葉県市川市で一家四人が殺害された事件で、強盗殺人、強姦(ごうかん)罪などに問われた犯行時19歳の元少年以来、10年ぶり。最高裁に記録が残る66年以降、10件目となるが、同一事件で複数の元少年に対する最高裁の死刑判断は初めて。

 判決は裁判官5人の全員一致の意見。桜井龍子裁判長は「11日間という短期間に犯行を重ねており、執拗(しつよう)で残虐。地域社会に与えた影響は大きい」と述べた。

 判決によると、3被告は94年9月、大阪市内で通りがかりの無職林正英さん=当時(26)=を殺害。翌10月には知人の岡田五輪和(さわと)さん=同(22)=に暴行し、愛知県尾西市(現一宮市)の木曽川河川敷に放置して殺害。さらにボウリング場にいた渡辺勝利さん=同(20)=と江崎正史さん=同(19)=に言い掛かりをつけ、現金を奪った上で、岐阜県の長良川河川敷で殺害した。

 2001年の1審名古屋地裁判決は、リーダー格で愛知県一宮市生まれの被告=犯行時(19)=を死刑、大阪府松原市生まれの被告=同(19)と大阪市西成区生まれの被告=同(18)=は「追従する立場だった」として無期懲役とした。05年の2審判決は「被告間の役割に差異はない」として1審判決を破棄、検察側の求刑通り3人全員を死刑とした。

 <連続リンチ殺人事件> 1994年9〜10月、愛知、岐阜、大阪の3府県で少年グループが男性4人を殺害した事件。同年10月に岐阜県輪之内町の長良川河川敷で、男性2人が全身に暴行を受け、死亡しているのが見つかり発覚した。被告の3人は95年1月までに相次いで逮捕された。1審判決は被害者4人のうち1人について傷害致死罪と認定したが、2審は4人に対する殺人罪の成立を認めた。

(東京新聞)

 

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