南相馬・女子高生不明　公開捜査１週間　乏しい物証

　相馬農高３年の清水沙也香さん（１８）＝福島県南相馬市原町区桜井町２丁目＝が行方不明になり、南相馬署が公開捜査を始めてから１０日で１週間が過ぎた。足取りが途絶えたのは２月１９日で、当日夜に会ったとみられる同市の交際相手の男性（２４）は同署から事情を聴かれた後に自殺したことが分かっている。男性と会った後、どこに向かったのか。清水さんの行方に結び付く手掛かりは依然見つかっていない。

　清水さんの家族は２月２１日に捜索願を出した。同署は交友関係を中心に調べ、２３日には交際相手の男性と接触。複数の知人からも、事情を知らないかどうか聴いていたとみられる。
　ところが市内の海岸近くの空き地で２３日午後８時ごろ、男性の乗用車が全焼しているのが見つかった。男性の実家に近い場所だった。
　捜査関係者によると、清水さんが１９日に市内で白い乗用車に乗っているのを知人が目撃。その車と全焼した車の特徴が一致していたこともあり、同署は２４日に再び男性から事情を聴いたという。
　それ以前の聴取を含め、男性は「清水さんと別れ話の件で口論になった。１９日午後９時ごろ、清水さんの家の近くで車から降ろした」と説明していたとされるが、２５日に市内で死亡しているのが見つかった。
　清水さんの足取りをたどるほとんど唯一の「物証」は白い乗用車。男性の説明通りに清水さんが乗っていたのかどうか、目撃された車と同一かどうかは、男性の車が燃えたことで確認が難しくなったとみられる。
　南相馬署は２４日になって捜査態勢を拡充し、１０日までに延べ１５００人以上の捜査員を投入。市東部の海岸周辺やため池などを連日捜索したが、遺留品などは見つかっていない。清水さんの写真を３日に公開後、「福島県外で見掛けた」といった情報も寄せられているが、所在はつかめないままだ。