福岡市内の企業トップの自宅が相次いで手りゅう弾のような爆発物で襲撃された事件を受け、福岡県公安委員会(西村韶道(あきみち)委員長)は10日、「断固たる決意で暴力団犯罪の撲滅に取り組む」とする声明を発表した。県公安委の声明発表は初めて。
福岡市内で5日、九州電力会長と西部ガス社長の自宅が爆発物で襲撃され、九電会長宅の車庫が破壊された。県警は、いずれの事件も指定暴力団工藤会(北九州市)が関与したとみている。
声明は、県暴力団排除条例施行や工藤会事務所の撤去で暴排機運が高まる最中の事件について「社会に対する挑戦。このような卑劣な犯行は断じて許されない」と指摘。「断固たる決意で暴力団犯罪の撲滅に取り組む」と強い決意を示した。
県警に対しては(1)事件の早期解決(2)暴力団犯罪の抑止対策(3)暴排に取り組む県民・事業者の安全確保-を強く要望した。
菱川雄治県警本部長は「声明を重く受け止め暴力団の取り締まりを徹底し、県民の安全確保に努める」とコメントした。
=2011/03/11付 西日本新聞朝刊=