民主党の土肥隆一衆議院議員は、先月下旬に韓国を訪問した際、日本政府に対し、竹島の領有権の主張をやめることなどを求める共同宣言に署名したことについての責任を取りたいとして、衆議院の政治倫理審査会の会長と党の常任幹事会の議長を辞任する考えを岡田幹事長に伝え、了承されました。
民主党の土肥隆一衆議院議員は、先月下旬、「日韓キリスト教議員連盟」のメンバーとして韓国を訪れた際、日本政府に対し、竹島の領有権の主張をやめることなどを求める共同宣言に署名し、与野党双方から批判が強まっていました。これを受けて、土肥氏は、10日夜、記者会見し、共同声明に署名したことについて、「こんなに大騒ぎになるとは思わず、心から国民、関係者におわびしたい。政治家としてたいへん不注意であった。不見識と言われても申し開きできない」と述べ、陳謝しました。そのうえで、土肥氏は「今回の問題で政治的な責任を取りたい」として、衆議院政治倫理審査会の会長と党の常任幹事会の議長を辞任する考えを明らかにしました。一方で、土肥氏は、今回の問題で議員辞職はしない考えを示しました。また、土肥氏は、今回の問題の菅政権への影響について、「わたしはそれほど影響力はないと思うが、なるべく邪魔をしないように心がけている」と述べました。さらに、土肥氏は「竹島は、歴史的な経過から見ても固有の領土であることは間違いない。内閣の考えと一致した意見を持っている。ただ、韓国で生まれ、複雑な植民地時代の生活を経験している者として、『韓国』は重い課題だ」と、述べました。このあと、土肥氏は、国会内で岡田幹事長に会い、こうした考えを伝え、岡田氏は了承しました。岡田氏は、記者団に対し「極めて遺憾だ。民主党の国会議員としては、到底認められない共同宣言だ。ただ、本人も『軽率だった』と深く反省しており、責任を認めて、けじめをつけたということだと思う。政治倫理審査会の会長の辞任については、国会対策委員会に速やかに手続きを取るよう指示した。党の常任幹事会の議長については、あす両院議員総会を開いて後任を決めたい」と述べました。土肥氏は、党の常任幹事会の議長として、強制的に起訴された小沢元代表への党員資格停止処分の決定に関わったほか、菅総理大臣に近い議員グループの幹部です。