2010年中に変死などで全国の警察が扱った遺体の総数は17万1025体(09年比1万167体増)で、死因究明のため1万9083体について司法・行政解剖を実施していたことが3日、警察庁のまとめで分かった。解剖率は09年から1・1ポイント増加し、11・2%だった。 遺体発見時に検視を専門とする刑事調査官(検視官)が現場に立ち会った「臨場」率は09年から7・5ポイント増の27・8%。08年の14・1%からほぼ倍増した。警察庁幹部は「検視官増員に加え、一件でも多く検視官が現場に行き、疑わしい遺体はできるだけ解剖を実施するよう指導した結果」としている。 各都道府県警の中で解剖率が高かったのは、いずれも行政解剖を行う監察医制度がある神奈川34・5%、兵庫22・0%、警視庁の19・1%。 低かったのは広島の1・2%、鹿児島2・0%、岐阜2・6%だった。 警察庁は、自殺や事故として処理した後に殺人事件などの被害者だったことが明らかになる「見逃し」事案を防止するため、より精度の高い死因究明制度を検討する有識者の研究会を設置。 研究会は10年7月、5年後をめどに全国の検視官を3倍にすることや、警察の取り扱う全遺体の薬物反応調査を提言しており、3月にも最終的な取りまとめを発表する予定。
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