対北ビラ:黄震夏議員「臨津閣以外の場所で散布を」

 元韓国軍幹部で与党ハンナラ党の黄震夏(ファン・ジンハ)議員(京畿道坡州市出身)は8日の党院内対策会議で、市民団体が坡州市の臨津閣から北朝鮮に向けビラを飛ばしていることに対し「坡州の国会議員として、臨津閣以外の場所で、非公開でビラを飛ばすようお願いしたい」と述べた。「北朝鮮の民主化を望む市民団体の気持ちと、北朝鮮による『照準射撃』の威嚇に不安を感じる地域住民の間には距離がある。専門家によると、臨津閣は(ビラを結び付けた)風船を飛ばすのに適した場所ではないという。最近の気象状況から、他の場所から飛ばす方が有利だといわれている。象徴性だけを考え(臨津閣から)ビラを飛ばそうとするのではなく、非公開で行うのが望ましい」と訴えた。

 坡州市ムンサン邑の里長団協議会は、臨津閣でのビラ散布を行わないよう、同市に対策を要請している。同地域では、ビラ散布とこれを受けた北朝鮮の威嚇により観光客が減り、商業関係者がダメージを受けているという。

 これに対し、沈在哲(シム・ジェチョル)政策委員会議長は「黄議員の発言は理解できない。北朝鮮に対するビラ散布をなぜメディアに公開せず、非公開で行うべきなのか、納得できない。北朝鮮はただ威嚇しているだけで、われわれを攻撃することはできないだろう」と反論した。

 鄭玉任(チョン・オクイム)院内報道官は会議後の会見で「北朝鮮に向けたビラについてさまざまな意見が出た。政府・与党として市民団体によるビラ散布を統制する法的根拠が乏しい。だが市民団体も、地域住民が不安にならないよう配慮し、活動してほしい、というのがハンナラ党の立場だ」と説明した。

金鳳基(キム・ボンギ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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