マークシートで八百長審査…5段階評価

 大相撲新生委員会を終え、会見に臨む放駒理事長、村山副理事長、島村委員長、安西委員(左から)
 大相撲新生委員会を終え、会見に臨む放駒理事長、村山副理事長、島村委員長、安西委員(左から)

 「大相撲新生委員会」(9日、両国国技館)

 日本相撲協会が八百長問題再発防止のために設置した委員会の初会合が9日、両国国技館で行われた。委員会の正式名称を「大相撲新生委員会(新生委)」と決め、委員長に外部委員の島村宜伸元農相、議論を進める座長に相撲協会の村山弘義副理事長が就任し、監察委員会の強化など6項目の再発防止策をまとめた。八百長に目を光らせる具体策として、土俵下で相撲に立ち会う維持員にマークシートを配り、各取組が気力にあふれていたか5段階で評価してもらうというアイデアも出た。

  ◇  ◇

 「今の相撲は2点」「結びは力が入っていたから5点」‐。近い将来、マークシート用紙を手にした観客が頭を悩ませる光景が見られるかもしれない。新生委がたたき台とする6項目のうち「監察態勢の強化」の具体策として、取組に敢闘精神があったかを5段階評価で採点してもらうことが提案された。

 観客の中でも土俵下の砂かぶりの席に陣取っているのは、東京場所なら年間65万円、地方場所なら同22万円を相撲協会に寄付している維持員と呼ばれる人たちが中心。親方衆のようなプロだけではなく、熱心な“角界のサポーター”とも言える維持員にも相撲内容を審査してもらおうというのだ。

 議論の中では「その日のうちに集計して発表してはどうか」など、公表することに積極的な意見もあったという。維持員による採点以外にも、「監察委と審判部の親方が毎日打ち出し後に会議を開き、その日に八百長を疑われる相撲がなかったか」を話し合うことも提案された。

 また、「支度部屋の秩序維持」の項目では、「監察委の親方が支度部屋に入り監視する」「支度部屋の出入り、外部との交通を遮断する」といった案が出た。“お目付け”を置き、東西の支度部屋を行き来する仲介役の仕事をシャットアウトしようというわけだ。

 新生委は16日と24日にも会合を開き、急ピッチで再発防止策の詳細を詰めていく。

 島村委員長は「夏場所も(開催が)駄目となったら相撲が成り立たなくなる」と、5月開催を強く望んでいる。放駒理事長(元大関魁傑)はこれまで通り「夏場所ありきではない」と強調するが、5月から再開させたい気持ちは同じ。問題解明、処分、再発防止策という“3点セット”の完成を急ぐ。

(2011年3月9日)

ソーシャルブックマーク・RSS・twitter・Facebook

関連写真

写真をクリックすると拡大されます
デイリースポーツOnline 主要ニュースRSS

主要ニュース一覧