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【希望大国ブラジル】第1部(3)「神が贈った」カリスマ指導者 ルラ前大統領の故郷を訪ねて
2011.3.9 20:25
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政権支える「現金給付」
ルラ前大統領は1945年、貧しい農家に8人兄弟の7番目として生まれた。
父親はそのひと月前にサンパウロ州へ出稼ぎに行った。7歳のとき、母親は夫と再会するため一家で乗り合いトラックに乗ったが、夫は別の女性と暮らしていた。ルラ氏は日系人の洗濯店で働き、やがて自動車工となった。プレス機で左手の小指を失いながらも、労働組合の指導者として頭角を現した。大衆政治家ルラはこうして生まれた。
東京外国語大学の鈴木茂教授(54)=ブラジル史=は「ブラジル下層階級の典型的な人生を歩んできたことに、庶民から共感が集まった」と指摘する。
東北部の貧困層でルラ人気を決定づけたのは「ボルサ・ファミリア(家族の財布)」と呼ばれる所得格差是正のための現金給付政策だった。日本の子ども手当に似ているが、家族1人当たりの月収140レアル(7千円)以下が対象。受給の条件として子供を学校へ通わせ、母子検診を受けなければならない。給付は月1100円~1万円。ブラジル全土で2010年に1276万世帯が受給し、東北部が5割を占める。
ルラ氏の故郷の集落でも150世帯のうち9割が受け取っていた。
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