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【希望大国ブラジル】第1部(3)「神が贈った」カリスマ指導者 ルラ前大統領の故郷を訪ねて
2011.3.9 20:25
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ブラジルを「希望の大国」へと押し上げたカリスマ指導者、ルラ前大統領(65)。昨年末に2期8年の任期を全うした際も87%という驚異的な支持率を維持していた。人気の秘密は何なのか。生まれ故郷である東北部ペルナンブコ州の小さな村を訪ねた。
州都レシフェから内陸へ250キロ。乾いたサバンナがどこまでも広がる丘陵地帯にルラ氏が生まれた集落があった。村人は畑仕事の手を休め、口々に「偉大な大統領だった」「神が贈った英雄だ」などと語った。ルラ氏のいとこというゼマリア・メロさん(58)は「気さくな人柄でいい仕事をした。誇りに思う」と胸を張った。
ルラ氏が率いた与党・労働党はここ東北部で圧倒的な支持を得ている。昨年10月に後継のジルマ・ルセフ氏(63)が勝利した大統領選でも、党や政権の度重なる汚職にもかかわらずルセフ氏が全27州のうち北半分の16州を制した。労働党政権は3期目に入った。
同じ新興国BRICsのロシアやインド、中国と比べるとブラジルの安定性は際立っている。民族紛争がなく宗教対立もない。地震もない。そして近年、安定してきたのが政治である。
首都ブラジリアで32年間、7人の農相の下で日本担当の特別補佐官を務めた日系2世、山中イジドロさん(75)は「かつては日伯で長期的なプロジェクトを計画してもブラジルの政権や大臣がころころ変わって継続できなかった。今は逆に日本のほうが変わるようになった」と話す。
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