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【社会】

「真矢を忘れないで」 いじめ自殺 両親が実名

2011年3月9日 13時55分

篠原真矢さん

写真

 昨年六月、友人をいじめから救えなかったことを悔やむ遺書を残し、自宅で自殺した川崎市の中学三年生の男子生徒=当時(14)=が通っていた市立中学校で九日、卒業式があった。男子生徒の両親は式を機に、「いつまでも匿名では子供がかわいそう」として、実名と写真を公表した。

 生徒は篠原真矢(まさや)さん。通っていた同市多摩区の中学校の卒業式には、真矢さんの両親と兄(17)が出席。卒業生百二十二人の最後に真矢さんの名前が読み上げられると、兄が卒業証書を受け取った。

 実名と写真を公表した理由について、父親(46)は「いつまでも『六月に自殺した中学生』と表現され続けるのでは、真矢がかわいそう」と説明。「何も悪いことをしていない真矢が、実名報道されないのは、実は親としてもつらかった」と、胸の内を明かした。

 また、「長男も高校を卒業し、真矢も中学を卒業するということで、学校へのしがらみがなくなる」とも。「卒業を機に、ぜひ本当の真矢を皆さんに知っていただき、この先もずっと『篠原真矢』という子が、十四歳まで生きていた事実を忘れないでいてほしい。多摩区の中学生ではなく、篠原真矢として覚えていてほしい」などと訴えた。

 この問題をめぐっては、市教育委員会は当初、「いじめの事実は把握していない」としていたが、八月末に一転、真矢さんと友人が同級生四人からいじめを受けていたと認めた。真矢さんに対する暴行の疑いで、四人のうち三人が書類送検されて今月三日、横浜家裁川崎支部は三人を保護観察処分とした。

(東京新聞)

 

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