2011年3月9日20時48分
NHKは10月にも、ラジオ番組のインターネット同時配信を始める。総務省が9日、認可した。NHK第1、第2、FMの番組をパソコンやスマートフォン(多機能携帯電話)で聴けるようになる。すでに民放は関東や関西でネット配信を始めており、ネットでラジオを聴く流れが加速しそうだ。
海外からの電波と混信する日本海側や、都市部のビル陰など、ラジオ放送が聞きにくい地域向けの対策という位置づけ。だが、現実にはネット環境さえあれば、国内で広く聴取できる。原則として東京向けの放送を同時配信する。音質はFM並みといい、NHKは設備改修や運用などで計3億円の支出を見込む。
ラジオ業界では若者のラジオ離れに危機感が強まり、ネット配信で若い世代のリスナーを取り込もうとする動きが出ている。在京、在阪の民放ラジオ局13社と電通は昨年、共同出資の株式会社「ラジコ」を設立して配信を始めた。対象地域は今のところ関東と関西だけだが、今後拡大する方針だという。(岡林佐和)