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2011年3月 1日 (火)

残念です。「ドンキホーテとみんなの大時計」

コロシアムの新キャラクターショー、「ドンキホーテとみんなの大時計~小さな天使のおとしもの~」を観ました。


とてもショックでした。
大切なものが、すべて失われていました。

「誰かを助けるため・護るための抵抗」「相手を断罪して暴力で裁くこと」は、全く異なります。

前者は正当防衛、後者は傲慢さの表れです。

まさか、パルケエスパーニャ、コロシアムの舞台で、後者の推し進めを目にするとは、想像だにしていませんでした。

目を、耳を、疑いました。

敵対するものへの一方的な暴力、それを天使という存在が咎めもしない。
「自分たちが絶対的な正しさであり、それ以外はどうなろうと構わない」……これは、閉鎖的な、恐ろしい世界です。

それが、舞台の上で繰り広げられていました。


これまで自分が観て、感じて、愛したコロシアムの舞台は、心の内側に誰もが持つ美しい魂に気づかせ、ひとりひとりの生き方を高めることができる、その力のあるものばかりでした。
つらいときには励みになり、うれしいときには幸せをわかちあいたくなる。
とても乗り越えられないと思うような苦しみが起きても、誰かを大切に思う強い気持ちが、先へと足を踏み出させてくれる。
許し、助け、願い、信じ、応える。
思いを伝える。未来を想う。いまを生きる。

他のテーマパークでは経験することのなかった、素晴らしい空間がありました。
それが、パルケエスパーニャ、志摩スペイン村が持つ独特の力なのだと感じ、魅かれ続けてきました。

人間が存在する意味の一番の基礎、「ひとを愛する」こと
人間がしあわせに生きるための基礎、「自分も、他人も、等しく大切にする」こと
この両者から「誰もが心を温めあう世界」が生まれ育てることができると、これまでずっと、教えてくれていたコロシアムのキャラクターショー……。

今回の舞台を観て、つらく悲しい気持ちだけが残りましたが……いつか、また……いつの日か、きっと、「世界をしあわせにする力」を生み出すパークになることを祈っています。
その日を楽しみに、待つことができたら。
そう願っています。


誰かに大怪我を負わせてしまう兵器のような大時計を作ってしまった、使ってしまった物語。
暴力、そしてその結果生じた悲惨な状態を笑いものにし、「誰かが身体を痛めることは面白いこと」と観客に思い込ませようとしているこの舞台。
相手さえ変わればすべて解決なのだとする、「共感・共存」の無い考え方。
過ちを犯したものが自らを省みる「きっかけ」も「学び」も与えられない、救いの無い世界。

コミカルでも、心温まる話でもありません。

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コメント

久しぶりです
また再開して頂き・・有難う御座います
同感な思いでした..同じパルケを大切に思う者としたら
哀しかったです
テーマパークの中でも、中身のしっかりした唯一のショーを維持していたパルケが、宗教チックで流行を追って居る様にも思える、薄い作品を出している事に

以前、東の国ではトップの1声で、夢を壊すからと莫大な費用を掛けたショーを取りやめた事も有りました(確かアラジンのショーでクレーンアームが見えてしまうからと言う事も含めて..)
大事な部分は、拘り続けて欲しいと思います。


投稿: Hide | 2011年3月 4日 (金) 12時02分

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