Q.

「竹の中に酒?穴もないのにどうやって?」



A. 「減圧機に1時間から1時間半くらいかけ、竹の中を真空にする。 それを焼酎に漬けると一晩で竹の中に入っていく。 」

穴を開けずに竹に酒を入れる「竹酒」を考え出したのは、 広島市安佐北区の「からっぽ くさの農園」共同経営者・岡田興三さん。
10年前に、中国の「竹に入った水を飲むと不老長寿になる」という言い伝えを聞き、竹の中に酒を入れることを思いついた。
最初は、たけのこに注射をして試したが1ヵ月後には気が抜けた状態になった。
普通の竹を酒に漬け、1年間保存したり、掃除機で吸い込むような簡単な減圧機を作ってみたが、いずれも失敗に終わった。
が、昨年末、4年間放置していた竹に半分ほど焼酎が入っていた。
今年5月に初めて試飲をしてみると酒の色は、琥珀色になり、砂糖を入れたように あまくてうまかったという。

これを機に、「竹酒」つくりに力を入れ、専用の減圧機を開発した。
1時間程度、減圧し、一晩置くと竹の中に酒がいっぱいになる。
日本酒より焼酎のほうが最高650ml入ったという。
竹の中での熟成期間が長いほど、酒はまろやかで飲みやすくなる。

岡田さんは、酒造免許がないので、酒を販売することは出来ない。
今後は、「竹酒」をつくる「減圧機」を製造し、旅館や料亭などに販売していく。
ちなみに「減圧機」の名前は、「かぐや姫の涙」。
価格は39万円。
現在、特許出願中。





〈取材先:からっぽ くさの農園 〉

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