チャン・ジャヨン事件:朝鮮日報社社長関与説の背景とは(下)
チャンさんの文書にある「朝鮮日報の社長」はスポーツ朝鮮の元社長
■キム氏との昼食会の約束
キム氏のスケジュール表には「2008.7.17. 朝鮮日報の社長と昼食会」とメモされていた。だが、朝鮮日報社の社長はこの日、キム氏ではなく、ある財団法人の理事会と、続けて行われた同法人主催の昼食会に出席していたことが確認された。警察は当時、理事会に出席した理事たちに対し事情聴取を行い、この事実を確認済みだ。また、キム氏は検察の調べに対し「『朝鮮日報の社長と昼食会』というのは、(08年当時の)スポーツ朝鮮の社長のことを指す」と供述した。
■キム氏の住所録
キム氏の住所録には、ある人物に関して「朝鮮日報の社長の哨戒」と記されていた。検察の調べに対し、キム氏はこれについても「スポーツ朝鮮の社長を指すが、秘書が誤ってそう書いた」と供述した。
■キム氏の秘書の証言
キム氏の秘書のSさんは、検察の事情聴取に対し「わたしがスケジュール表や住所録を作成したことは事実だが、社長のキム・ジョンスンが言う通りに記載した」と証言した。言い換えれば、キム氏がスポーツ朝鮮の元社長のことを「朝鮮日報の社長」と呼んでいたため、Sさんがそのままスケジュール表などにメモしたに過ぎないというわけだ。結局、キム氏は普段から、スポーツ朝鮮の社長のことを「朝鮮日報の社長」と呼んでいたことになる。当然ながら、チャンさんがキム氏から「朝鮮日報の社長」として紹介された人物も、スポーツ朝鮮の元社長だったというわけだ。
■メディアや政界の問題
こうした事実は、韓国の多くのメディアが2年前の事件当時に確認していることだ。それにもかかわらず、いまだ多くのメディアは、あたかも朝鮮日報社の社長がこの事件に関与しているかのような報道を繰り返している。これは、韓国のメディアにおける政治理念的な対立や競争関係が背景にあると考えられる。野党の一部の議員たちは、国会議員の免責特権(議場で行った演説や討論、表決について、院外で責任を問われない権利)を利用し、「朝鮮日報社社長の関与説」に言及した。今回、2年前にチャンさんが残した文書とは異なる可能性もある「チャンさんの手紙」が報じられたのも、野党議員の一人が関係しているとされる。
■残された本当の問題
チャンさんが残した文書に登場する性的な接待の事例は、実際とは異なっている可能性がある。もちろん、この中には誤解に基づく被害者もいることだろう。しかし、芸能人から性的な接待を受けた各界の要人たちが存在することは明らかだ。キム氏に対し十分な事情聴取を行うことによって、事件の全ぼうをほぼ完全に把握できる。しかし、捜査機関はこれに対し依然として消極的な姿勢を見せている。
李明振(イ・ミョンジン)記者
チェ・ソンジン記者
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