チャン・ジャヨン事件:朝鮮日報社社長関与説の背景とは(上)

チャンさんの文書にある「朝鮮日報の社長」はスポーツ朝鮮の元社長

 女優チャン・ジャヨンさんが、芸能界で横行している性的な接待について暴露する文書を残して自殺してから2年になるが、チャンさんが刑務所にいる友人に送ったという手紙が公開されたことにより、この事件が再び注目を浴びている。この事件の真相については徹底的に解明されなければならないが、一部のメディアでは朝鮮日報社の社長がこの事件に関与しているかのような報道が繰り返されている。

朝鮮日報社社長の関与説が広まったワケ

 チャンさんが残した文書に「朝鮮日報の社長」という表現があった。しかし、チャンさんの文書に登場する「朝鮮日報の社長」とは、朝鮮日報社の系列会社、スポーツ朝鮮の元社長のことを指すことが確認された。チャンさんがこの人物を「朝鮮日報の社長」と表現したのは、チャンさんに性的な接待を強要した所属事務所代表のキム・ジョンスン氏(42)=別名キム・ソンフン=が、普段からスポーツ朝鮮の元社長を「朝鮮日報の社長」と呼んでいたからだ。チャンさんが「朝鮮日報の社長」と思っていた人物は、実際にはスポーツ朝鮮の元社長だったというわけだ。

スポーツ朝鮮の元社長

 警察と検察による捜査の結果、キム氏がチャンさんに紹介した人物はスポーツ朝鮮の元社長だった。キム氏はソウル市内の中国料理店で、スポーツ朝鮮の元社長にチャンさんを紹介したことを認めたという。キム氏とスポーツ朝鮮の元社長は親しい間柄だった。これは芸能記事を主に取り扱うスポーツ朝鮮の特性上、十分にあり得ることだ。ところが、チャンさんは周囲の人たちに送った手紙などで、スポーツ朝鮮の社長のことを「朝鮮日報の社長」と記していた。これは警察と検察の捜査によって改めて実証された。

検察の捜査結果

 チャンさんに性的な接待を強要したキム・ジョンスン氏は、2年前にチャンさんが自殺した後、日本へ逃亡し、4カ月後に韓国へ送還され検察の取り調べを受けた(表参照)。当時の捜査で、キム氏は「朝鮮日報社の社長のことはまったく知らなかった」と供述した。一方、朝鮮日報社の社長も、キム氏やチャンさんの名前すら知らなかった。キム氏がスポーツ朝鮮の元社長のことを「朝鮮日報の社長」と呼んでいたことを確認できる証拠として、以下の三つがある。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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